男女の賃金格差はなくせる? 経済学からのアプローチ

男女の賃金格差という課題
世界の中で、日本は男女の賃金格差が大きい国です。同じように働いても男性より低い賃金しかもらえなければ、女性は働く意欲を失い、最悪の場合、仕事を辞めてしまうかもしれません。これは、人手不足に悩む日本経済にとって、大きな損失です。
「説明できない格差」とは
経済学では、データを使って賃金格差の原因を分けて考えます。「人的資本」とは仕事に役立つスキルや知識のことで、女性よりも男性のほうが平均的には高いのが現状です。しかしそれが格差の原因すべてではなく、問題なのは、人的資本が同じ男女の間にも賃金格差が発生していることです。これを人的資本の男女差では「説明できない格差」と呼びます。説明できない格差を生み出す原因の1つが、女性は仕事ができないのではないか、といった社会の思い込み(バイアス)です。
教育政策の重要性:経済学で考える社会の幸福
このバイアスが発生する原因の1つが、「男性は仕事、女性は家庭」という社会で共有される意識、つまり「ジェンダー規範」です。よって、これが弱まれば、賃金格差は縮小するかもしれません。それでは、ジェンダー規範を弱めることなどできるのでしょうか。
実は、日本や諸外国の研究から、政策や制度の工夫によって弱められることが明らかにされています。
日本の研究によると、中学校の「技術・家庭」は長い間、男子は技術、女子は家庭科と、男女別学で勉強していました。しかし、1990年度に男女共修となり、男子も女子も技術と家庭科の両方を一緒に学ぶようになりました。その結果、共修世代の人は大人になってから、男性は家事・育児を増やし、女性は正社員として働く人が増えたことが明らかになりました。つまり、教育を通して、社会的役割は性別によって固定されるものではないと気づき、行動が似てきたのです。
これは、教育政策の重要性を示す結果です。このように、データ分析を通じて社会的課題の原因を検証し、社会全体の幸福を高めるために何ができるかを探索するのが経済学なのです。
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