都市計画を「人々のコミュニケーション」から読み解く

コンクリートブロックが主役の時代
都市は、長い時間をかけて変わっていきます。例えば、日本の戦後復興の中では、コンクリートブロックを使った建築物が多く造られました。その背景には、木材不足や、燃えにくく安価で高性能な建物への需要がありました。詳しく見ていくと、都市と地方の違いや、また北海道や沖縄といった気候条件の違いによって、コンクリートブロック建築は独自の発展を遂げたことがわかります。その後、プレハブ住宅が登場し、コンクリートブロック建築の流行は下火となっていきます。身近なコンクリートブロックという素材からも、日本の近代像が見えてくるのです。
グレーからグリーンへ
戦後から現代に視点を移しましょう。最近は、都市の中に緑地が多く設けられるようになってきています。コンクリートや金属といった人工物だけでなく、植物や土といった自然のものを取り入れたまちづくりをめざすのが「グレーインフラからグリーンインフラへ」という考え方です。資本主義的な観点では、緑地を取り入れると事務所や店舗などのスペースが減り、管理コストもかかるというデメリットが生じます。しかし、居心地のよい緑地で過ごし、気持ちがほっと安らいだ経験を持つ人は少なくないでしょう。都市に暮らす人々の豊かさとは何か、緑地を通した研究が進められています。
コミュニケーションの産物
では、都市とはそもそもどのように造られてきたのでしょうか。東京や大阪、ロンドンやニューヨークのような巨大な都市は、鉄道網や道路網を含む「都市計画」に基づいて造られています。都市計画と聞くと、一般的には図面を描いたり模型を作ったりする工学的なイメージが思い浮かぶかもしれません。しかし実際には、住民や企業、さまざまな分野の専門家、政治家など、多様な人々が思いを出しあい、調整しあうことも、大切なプロセスです。都市とは技術だけで造られるものではなく、長い時間をかけた人々のコミュニケーションが掛け合わさって生まれるものなのです。
参考資料
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明治大学 情報コミュニケーション学部 講師 中川 雄大 先生
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