想像を働かせて手術の安全を守る 手術室看護師だからできること

手術前のコミュニケーション
手術に向き合う患者には、どんな不安があるでしょうか。患者にとって、慣れない手術は非日常です。身体的な不安はもちろん、入院期間の仕事への影響、術後の生活など、内容は人によってさまざまです。
患者の不安を把握するには、術前のヒアリングが欠かせません。また、手術前には禁煙や特定の薬の服用中止などの準備事項があります。もし説明不足で患者の理解や対応が不十分だった場合、手術が中止になるケースもあります。患者の不安を早期に把握して準備を確実に整えることが、安全な手術への第一歩となるのです。
手術室看護師だからできること
こうした術前の課題に専門的に応えられるのが「手術室看護師」です。これは手術室に勤務する看護師のことで、手術を安全かつスムーズに進められるようサポートする存在です。病棟や外来の看護師に比べて、患者との関わりは基本的に手術中のみとなり限定的ですが、病院によっては入院から手術室看護師が患者と接する体制を整えていることもあります。
手術室看護師の場合、手術中の処置や機器操作などに精通しているため、必要な準備事項に関して説明する際に、「なぜ禁煙が必要か」「その薬がどう手術に影響するか」といったメカニズムを具体的に説明できます。さらに、患者それぞれの生活や社会的な役割を聞きながら、無理のない準備の方法を一緒に考えられることも、手術室看護師ならではのアプローチです。患者にとっては、術前から顔を知っている看護師が手術室にいるという事実が安心感につながる、という声も聞かれます。
医療の格差をなくす
しかしこの取り組みは、現状では制度上の位置づけを持たず、実施するかどうかは病院の判断に委ねられています。入院前や手術前に手術室看護師が関わることでどのような効果が生まれるか、多角的に調査してきちんと示すことができれば、制度化への道が開きます。都市や地方のどの病院でも同じ水準の術前看護が受けられる環境の整備につなげることができるでしょう。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
