防災に生かせ! 海底の活断層や地滑りをドローンで撮影

検証しにくい、地震時の海底
日本では、陸地や海底に数多くの活断層があり、活断層の運動が地震を起こします。防災では地震を予測することが最善策ですが、正確な予測は非常に困難です。
地震後に起きた現象の記録は、予測に向けた重要な情報になります。ところが、海底の活断層は観測しにくく、記録が少ない状態です。また、地震に伴って海底での地滑りが起こりやすいのですが、陸上で何らかの事象がないと起きたことがわからず、これも国内の記録は少ないのが現状です。
水中ドローンでクリアに記録
2024年元日に起きた能登半島地震は、能登半島沖にある海底活断層が起こしました。その約3分後、震源地から100km離れた富山湾に津波が到達しました。理由は、海底地滑りです。地震の影響で、富山湾の海底で地滑りが発生し、それが津波を起こしたのです。
海底活断層の運動や海底地滑りによる海底の変化を探るため、水中ドローンを用いた撮影が実施され、能登半島沖では、海底活断層が今回の地震で海底を5メートル以上変形させたことや、今回の地震以前にも動いていたことが確認できました。また、富山湾では海底滑りの様子が記録されました。これらの調査から、今回の地震を起こした活断層の運動や海底滑りの仕組みも解明されつつあります。
最新技術も用いてメカニズム解明へ
海底地滑りが起きた富山湾では、水深約300メートルの海底に高さ数十メートルもある垂直の崖が現れ、その下にブロック状の大きな岩石が散乱していました。この映像をもとに、海底地滑りが海面に与える影響をシミュレーションしたところ、地盤が崩れた部分に海水が一気に流れ込み、海面が大きく沈んだ反動で発生した押し波が津波になったことが裏付けられました。ただしこれは富山湾の例であり、場所によって海底の地形が異なるため、津波になるメカニズムは多くの謎を残しています。
地形の変化は漁業にも影響を与えます。ドローンやAIといった技術を活用して地形の把握や危険地域を抽出すれば、漁業の保護にもつながります。
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富山大学 都市デザイン学部 地球システム科学科 准教授 立石 良 先生
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