弾けないのは練習不足だけではない? 音楽教育を見直す研究

音楽の認知の仕方
楽器がうまく弾けない、うまく歌えない原因は、「練習が足りないから」と考えがちです。しかし実際には、音楽の聴き方そのものに原因がある場合もあります。音をバラバラに捉えてしまうと、メロディをフレーズとして捉えられないのです。この原因の一つは、音楽教育にある可能性があります。ピアノなどの音を聞いて音名を当てる訓練を多く行うと、音を一つずつ単独に認識してしまい、メロディ全体として音楽を捉えにくくなる場合があります。その結果、音名は正確に聞き取れるのに、フレーズを覚えられないという問題が起こるのです。
拍や拍子を体感すると音楽は変わる
音楽の要素の中で重要な要素の一つに「拍子」があります。拍子を理論として理解していても、感覚として捉えられていないケースがあります。実際に、ピアノを練習している人が、ある曲をうまく弾けずに悩んでいました。楽譜通りには弾けているのに、音楽の流れがうまくつながらないのです。そこで音楽を聴きながら、例えば指揮者のように「1、2、3」と拍を感じて、拍子を体感するトレーニングを行いました。すると自然に音楽の流れがつかめて、うまく弾けるようになりました。このように、音楽理論を知識として覚えるだけでなく、体験と結びつけて学ぶことで演奏が上達することもあります。
音楽理論とソルフェージュ
大学で音楽を学ぶ際には、通常「音楽理論」と「ソルフェージュ」という二つの基礎科目を履修します。音楽理論は音階や和音など音楽の仕組みを学ぶ科目で、ソルフェージュは音楽を聴き、歌い、楽譜に書いたり、楽譜を読んだりする力を養う科目です。日本ではこの二つを別々に学ぶことが多く、学んだ知識が実際の演奏にうまく結びつかないという課題が指摘されていました。そこで、両者を統合して学ぶ方法が研究されています。耳で音楽を聴きながら理論を理解したり、実際の曲を教材に音楽の構造を感じ取ったりすることで、知識と感覚を結びつけるのです。こうした研究は、より効果的な音楽教育につながると期待されています。
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