宇宙天気の予報ができる未来のために 宇宙からの電波の研究

宇宙の環境が社会に影響
人工衛星による通信、GPS、気象観測、国際宇宙ステーションなど、現代社会は宇宙空間を活用することで成り立っています。しかし、宇宙空間の「放射線帯」(地上から約3,000km辺りと約20,000km辺り)に集まっている高エネルギーの電子や陽子が、人工衛星などの機器を損傷させたり劣化させたりしています。こうしたダメージを防ぐために、太陽風(太陽から噴き出す電子や陽子の流れ)や磁場によって変化する宇宙環境の現象「宇宙天気」を把握したいというニーズが高まっています。
地球磁気圏で自然発生している電波
このニーズに応えるため、超長波(VLF)・極超長波(ELF)帯の電波を観測し、そのメカニズムを明らかにする研究が進んでいます。VLF電波もELF電波も、地球の磁場と高エネルギー電子の相互作用で自然発生する電波の一種であり、それがわかれば宇宙天気を予測できるからです。
VLF/ELF電波は周波数300Hz~30kHzで、地上にも伝わっています。そこで、VLF/ELF電波を世界各地に設置された特殊なアンテナを使って地上で受信したり、人工衛星から観測したりしてデータを収集しています。また、そのデータを解析するAIの機械学習アルゴリズムの開発も行われています。
電波が突発的に発生する現象を発見
地上と人工衛星で同時にVLF/ELF電波を観測した結果、両方の観測値が一対一で対応している事例が13セット確認されました。また、よく観察されるVLF/ELF電波の放射については、その広がりの距離や方向、時間を数値で特定することができました。
大きな成果としては「VLFバーストパッチ」の発見が挙げられます。これはVLF電波が突発的に強く放射される現象で、従来の理論ではほとんど発生しないと考えられていましたが、観測日数の43%で発生していることがわかりました。今後はさらに突発的に放射されたVLF電波が空間中を伝わっていくメカニズムの特定が行われます。
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