視覚障害のある女性と家族の子育て実態を知り、支援に活かす

視覚障害のある女性と家族の子育て実態を知り、支援に活かす

障害者への子育て支援

子育てをしている人の中には障害がある人もいます。必要とされる子育て支援の内容は、障害の特性によって異なりますが、現状ではまだ十分に行き届いているとは言えません。
障害のある人への子育て支援は、産科医療や母子保健、障害福祉などの関係者が連携して行うことが大切ですが、その体制づくりも、今後さらに整えていく必要があります。視覚に障害のある人に対しては、子育て支援に関わる人が、視覚障害の特性や当事者のニーズに丁寧に目を向け、その実態を明らかにしていくための研究が求められます。

障害特性の理解の不足がもたらす課題

既存の子育て支援は、障害のある人を十分想定しているとは言えないのが現状です。視覚障害のある人への子育て支援においては、経験をもつ支援者が少なく、それを理由に妊婦健診や分娩を断られた人もいます。
また、妊婦健診において、胎児のエコー画像が見えにくいという困難が医療者に想定されていない場合、胎児の成長を感じる機会が得られず、残念な思いをする場面も生じています。さらに、産後に「助産師がいない時は赤ちゃんを抱かないでください」と伝えられた事例もあります。赤ちゃんを抱き上げてあやすことは、母親にとって自然な行為です。そのような行為が制限されることは、母親と赤ちゃん双方に影響を及ぼします。こうした背景には、支援者側の理解が十分でないことも関係しています。

「見えない」は「できない」ではない

視覚障害のある人は、決して「何もできない人」ではありません。これまでの生活上の工夫や、スマートフォンのカメラ機能や読み上げ機能を活用しながら、赤ちゃんの様子や表情を把握して、子育てを楽しんでいる人もいます。当事者の人がどのようなことに困っているのかを広く知ってもらうことで、視覚障害のある人への支援やサービスの創出につながることが期待されます。実態を丁寧に明らかにしていくことは、障害のある人が望むかたちで子育てができる社会づくりの第一歩となるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

新潟青陵大学 看護学部 看護学科 准教授 小林 正子 先生

新潟青陵大学 看護学部 看護学科 准教授 小林 正子 先生

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母性看護学、助産学

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メッセージ

障害のある人をサポートしたいという気持ちは、とても素敵なものです。その思いを行動に移す時に大切なのは「相手が何を求めているのか」を対話で知ることです。「障害があるからできない」と決めつけてはいけません。障害のある人も、私たちと同じように社会の中で暮らし、それぞれに工夫しながら生活しています。何に困っているかは人によって異なります。だからこそ、「どんなサポートがあればその人らしく過ごせるか」を、ぜひ一緒に考えてみてください。その人の心と体の両方に寄り添える、良き伴走者になってほしいと思います。

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