異なる文化を持つ人々を福祉につなぐ多文化ソーシャルワーカー

在日外国人が高齢になって望むのは?
兵庫県や大阪府には、ベトナム戦争後の1980年頃に祖国を脱出し、難民として日本にたどり着いたベトナム人が多く暮らしています。長い年月を日本で過ごして高齢期を迎えたそうした人々に話を聞くと、「老後はベトナム語を話し、ベトナム料理を食べて暮らしたい」「介護が必要になったら自宅で家族に見てもらいたい」と考えている人が多いことがわかりました。そうした声を、単なるわがままと片付けることはできません。かつては日本語を話していた在日コリアンの高齢者が、認知症になり、日本語を忘れてしまった事例もあります。異なる文化を持つ人の声を聞き、福祉との調整役になれるような存在が求められています。
文化を相対的に理解する
日本では、介護が必要になったら施設を利用するという考え方が標準的になってきています。一方ベトナムでは、施設は家族から面倒を見てもらえない人が入るところと考える人が多いのです。日本の考え方が先進的で、ベトナムの考え方が遅れているわけではありません。家族や地域の結びつきが強いベトナムでは、孤独死などの問題が少ないのも事実です。ベトナムを見て日本の介護や福祉のあり方を見直すような広い視野で、文化を相対的にとらえて当たり前を問い直していくことが、多文化共生につながっていきます。
グローバルな視野の調整役を
ソーシャルワーカーは、社会的課題を抱える人々がより良い生活を送れるように支援する福祉職です。在日ベトナム人や在日コリアン、日系ブラジル人など移民やマイノリティと呼ばれる人々は、言葉の壁などにより貧困にさらされやすいという課題を抱えてきました。母国語しか話せない親と日本語の方が得意な子どもがいるように、親子間でもコミュニケーションが難しく、教育が十分に受けられないといった問題も起こりがちです。こうした異文化を持つ人々の課題にソーシャルワーカーがアプローチできるよう、グローバルな視野を持った「多文化ソーシャルワーカー」の養成が始まっています。
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先生情報 / 大学情報

武庫川大学 ※2027年4月、共学化。名称変更。 心理・社会福祉学部 社会福祉学科 准教授 野上 恵美 先生
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