講義No.15992 看護学

加齢変化? 認知症? 統合失調症? 症状を見極める看護とは

加齢変化? 認知症? 統合失調症? 症状を見極める看護とは

誰にでも起こる加齢変化

年をとると、体や心の働きは少しずつ変わります。これを加齢変化といいます。例えば、体力が落ちて動きが遅くなったり、考える速さがゆっくりになって、一度に多くのことを理解するのが難しくなることがあります。しかし経験が増えることで、人としての深みは増していきます。
変化の進み方は人によって違います。特に、もの忘れは認知症と見分けがつきにくい場合もあります。また最近では、統合失調症の人の高齢化により、認知症が重なるケースもあり、原因の見分けが難しく、研究が進められています。

同じ症状でも接し方は異なる

統合失調症の人が高齢になると、今出ている症状が認知症によるものなのか、もともとの統合失調症によるものなのか、判断が難しくなることがあります。これは、どちらの病気にも妄想や幻覚といった共通した症状が見られるためです。例えば認知症では、身近な出来事に関連した具体的で現実に近い内容が多いのに対し、統合失調症では、抽象的で独自の意味づけが強く、一貫した内容になりやすいという特徴があります。そのため、どのように接すれば対象者が安心して過ごせるのかは異なり、よりよい看護を行うためには、症状を丁寧に観察し、原因をしっかり見極めることが大切です。

患者観察の指標を作成

認知症や精神看護を専門とする看護師に、高齢の統合失調症の人の看護についてインタビュー調査を行い、どのような点に注目して観察し、どのように支援方法を決めているのかを詳しく調べる研究が進められています。まだ始まったばかりですが、今後はアンケート調査も予定され、多くの看護師の意見を集めて、観察のポイントを整理した指標をつくる計画です。こうした研究により、症状の見極めがしやすくなり、より質の高い看護の提供につながります。看護師の負担や不安の軽減にもつながり、安心して働ける環境づくりや、高齢者がより安心して過ごせる社会の実現にも役立つことが期待されています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

創価大学 看護学部  講師 鈴木 智子 先生

創価大学 看護学部 講師 鈴木 智子 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

健康生活看護学(高齢者の健康)

先生が目指すSDGs

メッセージ

もし看護師をめざすのなら、勉強だけではなく、映画を見る、本を読む、ライブに行く、アルバイトをするなど、自分の感性を高める経験をたくさん積み重ねてください。看護は人と関わる仕事なので、すべての経験が今後に生きてきます。また、自分が何に向いているのかわからず、進路に悩むこともあると思いますが、まだ決めきれなくて大丈夫です。あなたはまだ若いので、ちょっと興味がある方に進んでみて、もし違ったらやり直せばいいのです。興味があることを見つけるためにも、いろいろな経験をしてください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?

創価大学に関心を持ったあなたは

創立以来、学生と教職員が大学を創る者として、互いに対話、研鑽を重ねながら大学の価値を高めてきました。こうした教育・研究および社会貢献の成果は、文部科学省のGP(Good Practice)採択など、外部からの高い評価となり、普遍的な価値として、現代の大学教育に大きな示唆を与えています。また国際化が叫ばれる中、69カ国・地域、260大学との交流協定は、真の国際人養成に大いに貢献できることでしょう。