患者と医療職の橋渡しをする社会福祉士

患者と医療職の橋渡しをする社会福祉士

医療ソーシャルワーカーの役割とは

医療機関で働く社会福祉士を、医療ソーシャルワーカー(MSW)と呼びます。病院などで、医師や看護師などの医療職と患者との橋渡しをする役割が期待されています。患者の生活の質(QOL)を第一に考えるMSWは、患者の生命と健康を第一に考える医療職との協働関係を築いた上で、患者が治療の選択や退院後の暮らしなど、人生の重要なことがらを決める際に寄り添う支援を行います。また、マイノリティの患者は病室やトイレをどうするのかといったことや、文化の異なる外国人の受け入れなどの課題も支援します。

医療職との視点の違い

多職種との連携こそ、医療現場に入ったMSWが直面する大きな課題です。そこで、いくつかの大学では社会福祉士の養成段階から多職種連携教育の一環として、医療職に就く学生と交流する機会を設けており、互いの価値観を理解する取り組みが進められています。例えば、病院では医療判断が中心なので、治療が終われば退院させるのが当然だと考えます。一方、MSWは患者の生活の質や、退院後の自立をどうするかを考えます。患者が大切にしている習慣や仕事があれば、入院時や退院後に困らないよう、患者の背景を医療側に伝える橋渡し的な支援もします。

患者の意思決定に寄り添う

患者が治療の選択などの意思決定をする際は、法律で定められた同意手続き(インフォームド・コンセント)がありますし、患者が小児や判断力に配慮が必要な方の場合はインフォームド・アセントも行われます。しかし、患者にとって人生を左右する大きな意思決定は理屈だけでは行えないものです。また医療側にとっては、患者が意識がなく、身寄りもいない場合、受け入れや治療をどう進めるかといった倫理的問題もあります。こうした一つ一つの課題解決には、MSWが聞き取った患者の声や医療現場の問題などを分析してガイドラインにつなげるような研究が必要なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

長野大学 社会福祉学部  准教授 鈴木 由美子 先生

長野大学 社会福祉学部 准教授 鈴木 由美子 先生

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ソーシャルワーク、保健医療福祉

先生が目指すSDGs

メッセージ

学生の間は自分が何をしたいのか、何をめざすのか、迷い悩む時期だと思います。福祉に少しでも関心があるなら、一緒にソーシャルワークを学びませんか。福祉はさまざまな人と出会う仕事です。福祉以外の場では出会えないような人ばかりで、そこで出会った人との会話を通して、自分はこんな風に感じる人間なんだ、と自分を発見する機会があります。人の人生に関わる難しい仕事ですが、やりがいも大きいと思いますので、ソーシャルワークの仕事や魅力を大学で学んでもらいたいです。

先生への質問

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長野大学は、1966年に地域の熱い期待を背負って誕生した「地域立」の大学です。本学は地域にある課題を発見し、地域とともに解決していく実践的な学びを大切にしています。地域には豊かな自然環境や歴史が宿る文化遺産、経済を牽引する産業や観光資源、安心して暮らせるまちづくりなど学びの要素があふれています。地域社会をフィールドに、主体的に考える力や、問題に対して多面的に取り組む力を養いながら漠然とした問題を明確化し、逆境に立ち向かっていける足腰の強い人材を育成します。