「物」よりも「体験」をつくる時代に 社会を変えるサービスデザイン

変わる「価値」の形
かつては、物を所有すること自体に価値を見出す時代がありました。しかし現在では、例えば、車は「持つこと」よりも「乗ってどこへ行くか」を重視し、使って体験することに価値を感じる人が増えています。それに伴い、必要なときに借りるという選択も一般的になってきました。
価値は、物そのものから体験へと移っています。こうした変化により、デザインの考え方も広がりました。製品の形や見た目だけでなく、それを使うことで得られる体験や満足に至るまでの流れを考えることが求められるようになっています。
配達サービス、タクシーアプリも
このような背景の中で注目されているのが、「サービスデザイン」という分野です。これは、製品だけでなく、人の行動や体験、社会の仕組みそのものを設計する考え方です。例えば、フードデリバリーなどの配達サービスや、民泊を利用するためのプラットフォーム、タクシーアプリなどは、すべてサービスデザインによって生まれたものと言えます。利用者がどのような行動をし、どうすれば満足するのかを考え、その一連の流れを設計することで、新しい価値が生み出されます。デザインは「形をつくる仕事」から、「価値をつくる仕事」へと変化しているのです。
「気づかない不便」を見つける
私たちは日常生活の中で、不便さを感じながらも、それが当たり前だと思って見過ごしてしまうことがあります。こうした「気づかない不便」を見つけ出すことが、サービスデザインの出発点です。技術の進歩によって新たな利便が生まれる一方で、別の不便が生じることもあります。社会は常に変化しており、それに伴って求められるサービスも変わっていきます。デザインは、社会の変化をとらえ、人々の生活をより良くする新しい仕組みやサービスを生み出す仕事です。まだ見えていない課題を見つけ、新たな価値を創出していくことが、社会の革新にもつながるのです。
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