ドラマやアニメに登場する韓国のシャーマニズムとは

ドラマやアニメに登場する韓国のシャーマニズムとは

韓国に根付くシャーマニズム信仰

韓国には「巫俗(ふぞく、ムソク)」と呼ばれるシャーマニズム信仰が、古くから民衆の間に深く根付いています。シャーマニズムとは、シャーマンと呼ばれる特殊な能力をもつ人物が、占いや祈りを行う宗教文化の総称です。韓国では個人的な悩み相談に利用されているほか、村全体の平穏を祈る儀礼なども数多く行われています。近年、世界的にも高く評価されたアニメ映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、まさに巫俗をモチーフにした作品です。ほかにも、韓国ドラマに頻繁に取り上げられるなど、現代社会でも韓国人にとって巫俗は身近な存在です。

「迷信」か「文化」か

近代化の歴史の中で、巫俗は大きく2つの見方をされるようになります。朝鮮半島が日本の植民地となった1910年頃からは、「あんなものは迷信だ」という強い批判の声が上がります。一方で、1960~70年代にかけて国が豊かになってくると、今度は巫俗を韓国の大切な文化として見直す意見が出始めます。特に、巫俗の特色であるきらびやかな衣装、歌や踊りといった要素を、「国の財産」として認める動きが高まってきたのです。実際、複数の儀礼が無形文化財に指定されています。文献をひも解いていくと、巫俗を取り巻くこうした2つの意見が、時代の流れとともに整理されていく過程が見えてきます。

矛盾との共存こそが社会のリアル

巫俗に対する「迷信」と「文化」という相反する見方は、どちらが良い、悪いといったものではありません。この世界には常に矛盾が存在し、それを抱えたまま共存していることこそが、人間が生きている社会のリアルな姿なのです。1つの立場に偏らず、それぞれの意見がどのように語られ、どう影響し合っているかを客観的にとらえ、事実をありのままに見つめることが、韓国や韓国人への理解を深めることにつながります。このような異国の文化や思想の探究は、多様な他者との違いを認め、深く理解していくための人間学にも通じています。

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福岡大学 人文学部 東アジア地域言語学科 准教授 新里 喜宣 先生

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メッセージ

大学では、あなたが日頃感じている素朴な疑問が研究テーマの種になります。韓国に関心があるなら、韓国ドラマやK-POPなどに触れる際、人物の行動や発言、歌詞で不思議に思ったことをストックしておきましょう。他国のことを理解するには、背景にある社会の成り立ちを知ることが重要です。語学とともに、地理・歴史・政治経済についてもしっかり学びましょう。異文化を通して他者を理解しようとする経験は、社会に出てから多様な人々と関わり、人間関係を築いていく上で必ず役に立つはずです。

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福岡大学は、9学部31学科、在学生2万人を有する総合大学です。多くの学生や教職員が行き交う広大なキャンパスは福岡市の南西部に位置し、都心部との交通の便もよく、活気に満ちあふれています。「ワンキャンパス」に全学部が集結しており、総合大学の魅力を生かし、学問・研究および課外活動などにおいて学部間の交流が盛んに行われ、文系・理系だけにとどまらない幅広く多様な視野と知識を得ることが可能な大学です。また、創立から90周年で輩出した卒業生総数は28万人を超え、あらゆる分野で力を発揮しています。