スポーツのけがを防ぐ 目とからだの科学

選手を守る仕事
スポーツの現場で選手やチームを支える専門職に、アスレティックトレーナーがあります。スポーツジムなどのトレーナーとは異なり、けがの予防から体調管理、救急対応まで幅広い役割を担います。熱中症への対処や落雷時の避難誘導も含め、選手が安心して安全にプレーできる環境を整えることが、この仕事の大切な役割です。JリーグやBリーグなどのプロチームには必ず帯同しており、近年は学校の部活動にも配置が拡がっています。
こうした幅広い役割を担うには、専門的な知識と技術が欠かせません。
テーピングにも理論がある
その一例がテーピングです。テーピングはけがをした後に巻くものというイメージがありますが、けがをしていない状態でもけがを予防するために巻くこともあります。スポーツで特に多いけがの一つが足首の捻挫で、テーピングで固定することで再発のリスクを下げることができます。部位やけがの種類によってテープの巻き方や使用するテープの種類は異なり、誤った方法で巻くことは、かえって症状を悪化させかねません。知識として理解するだけでなく、自分の体で感覚を確かめること、そして経験が適切なサポートにつながります。
見えていないからけがをする?
スポーツ現場で多くのけがの場面を見ていくと、一つのある疑問点が浮かび上がります。「けがが起きる瞬間、その選手は周囲の状況が見えていないのではないか」ということです。例えば、サッカーでマークを外されたことに気づくのが遅れ、あわてて急加速した瞬間に肉離れを起こす、あるいは背後からの接触に反応できず衝突することがあります。こうした場面では、動体視力や周辺視野、瞬間的に情報を読み取る力といった視覚機能が関係している可能性があるのではないかということです。視覚トレーニングはこれまでパフォーマンス向上を目的に研究されてきましたが、けがの予防との関係はほとんど明らかになっていません。測定機器を使って選手の視覚能力を調べることで、けがと関連する項目が特定できるかもしれません。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
