絵は2枚描くのがミソ 言葉にできない気持ちを読み解く

絵は2枚描くのがミソ 言葉にできない気持ちを読み解く

木の絵から心の状態を理解する

心理検査には、言葉でうまく表現できない思いを理解するための「描画法」という手法があります。その代表的なものが「バウムテスト」です。このテストでは、悩みや困り事を抱えている人に木の絵を描いてもらい、その絵から心理状態や置かれている状況を読み解きます。特に、自分の感情を言葉にするのが難しい子どもや、複雑な心境を抱えていて整理できない状態にある人への支援に用いられています。
絵の解釈は、「こういう精神状態のときは、絵にこのような傾向が現れやすい」といった、先行研究で明らかにされている科学的な知見に基づいて行われます。さらに、ほかの心理検査とも組み合わせ、多角的かつ総合的にその人を理解していきます。

もう1枚描くことで

ただ、1枚の木の絵だけでは、その人の本当の姿が見えにくい場合があります。そこで、より深く理解するために、2枚連続で描いてもらう手法をとることがあります。
初めて絵を描くとき、人は無意識のうちに「上手に描かなければ」「変だと思われたくない」という防衛の心理が働きます。その結果、1枚目はどこかで見たことがあるような「一般的な木の絵」や「無難な木の絵」となり、個性が隠れてしまうことがあります。ところが、「もう1枚描いてください」と言われると、1枚目を受け取ってもらえた安心感から自分を出しやすくなる人がいます。あるいは、「次はどう描こうか」と1枚目よりも主体的に考えて描くため、その人らしさが表れやすくなります。

占いとはちがい科学的、統計的に分析

2枚描いてもらうことで、1枚目と2枚目でどう変わったか、または何が一貫しているかに着目し、そこにどんな心理的意味があるのかを検証する研究も行われています。中学生を対象にした調査では、1枚目と2枚目で木の大きさが極端に変化する人は、友人関係で葛藤を抱えている傾向があることがわかりました。現在、さらに精緻で科学的な妥当性を持った解釈ができるよう、指標の確立に向けた研究が進められています。

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立正大学 心理学部 臨床心理学科 教授 佐藤 秀行 先生

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「やりたいことを見つけなさい」と言われる一方で、偏差値が価値基準になっていたりする中、進路を決めるのは簡単ではありません。本当にやりたいことは、やってみないとわからないものです。知らない駅で降りて街を散策すると思いがけない発見があるように、なんとなく興味を引かれたことに「触れてみる」「やってみる」ことが大切です。いろいろとチャレンジするうちに、夢中になれるものとの出会いがきっとあるはずです。方向転換してもよいので、多くの経験を通して自分の道を探してみてください。

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