公共物をみんなできれいに利用したい、さてどうする?

「誰かがやってくれる」は誰がやる?
公園や道路といった、お金を払わなくてもみんなが一緒に使える物やサービス、環境を「公共財」と言います。公共財は、利用する人がみんなで良い状態にしなければなりません。汚しても罰則はないので、汚れても「誰かが清掃してくれる」と、他人任せの「フリーライダー」になることもできます。フリーライダーとは自分は何もせず、他人の努力や公共のサービスから利益や成果だけを得る人のことです。しかし、それでは良い状態を保つのは難しいでしょう。もっとスケールの大きな、例えば環境問題も同じで、地球も公共のものと考えれば、みんなで良い状態にしようとする努力が必要です。そのように人々に行動を促すには、どうすればいいでしょうか。
ゲーム理論で考える
例えば仲間同士で使う共用スペースを、みんなで清潔に保つ仕組みを考えるとき、参考になるのが数理経済学の「ゲーム理論」です。ゲーム理論とはプレイヤーの利害が必ずしも一致しない状況で、個人がどのような行動をとるかを分析する学問です。互いの思惑で駆け引きが発生するビジネス交渉の戦略分析などに用いられます。掃除が嫌いな人に、その理由と嫌いの程度を聞いてみると、単に嫌いな人や、コスパが悪いと考える人、誰かと一緒にやるのは嫌いな人など、いろいろな思惑が見えてくるはずです。そうした気持ちを数値に置き換え、各人がどのような行動をとるかを分析して、みんなで清掃して清潔に保つという目標達成の方法を導き出すのです。
意思決定力に働きかける仕組みを
みんなが望ましい状態をつくり出すには、一人一人の意思決定力が大きく作用します。心理学のようですが、経済を動かすのは人々の意思です。人に行動を促すとき、「こうしたら損をしませんよ」と相手の損得勘定に訴えた方が、決定に至りやすく、行動に移しやすいことがわかっています。「誰かがやってくれる」といったフリーライダーを出さず、人々の自主的な行動につながる大きな仕組みづくりが必要です。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
