オス・メスのある植物はどう進化した? 植物にもあるXY染色体

両性花から進化した雌雄異株植物
地球上の多くの植物は、一つの花におしべとめしべがありますが、イチョウのように雄花と雌花が別の株にある雌雄異株植物も存在します。雌雄異株植物はヒトと同じように性別を決定するXとYの染色体を持っており、進化の過程で、さまざまな系統に同時多発的に登場しました。雌雄異株植物が両性花からどのように進化してきたのか、雌雄異株植物のヒロハノマンテマを対象とした研究により明らかになってきました。
性決定遺伝子を発見
ヒロハノマンテマは白い花を咲かせるナデシコ科の植物です。ヒロハノマンテマのY染色体はヒトのY染色体の約10倍の大きさがあり、Y染色体の領域は非常に広範囲です。そこから性決定遺伝子を見つけ出すのは長年の課題でしたが、ついにめしべの発達を抑制するY染色体上の性決定遺伝子が同定されました。一方でX染色体には、Y染色体上の性決定遺伝子とは反対に、めしべの発達を促進する遺伝子が見つかりました。これらの結果から、もともと両性花にあった「めしべの発達を抑制する遺伝子」と「めしべの発達を促進する遺伝子」がそれぞれ失われてX染色体とY染色体ができ、オスとメスに進化したと考えられます。
X染色体だけでも性が決まる?
性染色体は安定的に性別を決定するために組換えが抑制されます。その結果、Y染色体は変異を修復できずに退化しており、Y染色体は消滅するという説もあります。このようなオスの消滅を生物が回避する仕組みが今注目されています。
ヒロハノマンテマのY染色体も退化が進んでいますが、ヒトなどと異なり、X染色体上にもめしべの発達促進という性決定遺伝子が存在して、Y染色体とX染色体の力関係で性別が決まります。そのため今後Y染色体が消失しても、X染色体の遺伝子の強弱を調整するなどして、X染色体のみで性決定できるようになるかもしれません。こうした進化のプロセスを実証する研究が進行しています。
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福井県立大学 生物資源学部 生物資源学科(理化学研究所 仁科加速器科学研究センター イオン育種研究開発室) 教授 風間 裕介 先生
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