魚がたくさん食べて大きくなるには? 餌と体のしくみのひみつ

魚を大きくする餌を研究
魚の養殖では、魚が餌を食べるかどうかが非常に重要です。食べなければ魚は大きくなりませんが、魚も人と同じように、おいしい餌を好みます。そのため、科学的に明らかにされた「魚が好む味付け」を利用することで、食欲が高まり、餌を食べる量を増やすことができます。ただ、魚が大きく育つためには、食べるだけでは不十分です。餌の消化・吸収を考える必要があり、魚の生理現象に合わせた餌の開発が進められています。
植物原料の餌を活用
養殖用の餌の主な原料は、天然魚を加工した魚粉です。世界の養殖生産量は増え続けていますが、魚粉の量をこれ以上増やすのは難しく、魚粉に替わる、新しい原料を探す必要があります。ただ、大豆やトウモロコシなどの植物性の原料に味付けをして食べさせると、魚粉のときほど成長しません。魚食性の魚に植物性の餌を食べさせると、胆汁や消化液が十分に分泌されず、うまく消化できないのです。
そこで、餌の原料と消化の関係を丹念に調べたところ、チキンミールやフェザーミールといった動物性原料が胆汁や消化液の分泌を刺激することがわかりました。この結果を応用し、植物性と動物性の原料をほどよくブレンドして、魚がよく食べてよく育つ餌が開発されています。
満腹ホルモンでコントロールできる?
コレシストキニン(CCK)は、消化・食欲・生殖の調節に関係するペプチドホルモンで、「満腹ホルモン」とも呼ばれます。哺乳類ではCCKの機能がよく研究されていますが、魚での働きはあまりわかっていませんでした。研究の結果、魚にはCCKの受容体が3種類あり、食欲だけでなく、消化や性成熟、成長、脂質代謝などにも関わっていることがわかってきました。このホルモンを利用することで、養殖の現場では魚の成長や体の状態をより適切に整えられる可能性があります。例えば、食べたものをうまく消化して成長を助けたり、成長や成熟のタイミングや、脂の乗り方を調整したりすることで、魚を効率よく、安定して育てることが可能になると期待されています。
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