地場産業はどう生き残るのか 全国の先進事例を検証

縮小の一途をたどる地場産業
全国には各地域のさまざまな条件を基盤に成立・発展した地場産業が存在し、古くから地域の経済や雇用を支えてきました。福井県にも眼鏡フレームや繊維、刃物、漆器など多くの地場産業が所在しています。しかし、海外製品との競合や時代の流れによる消費者ニーズの変化などの影響により、地場産業の多くは縮小傾向にあります。また、後継者不足や担い手の高齢化などの問題も生じています。
地場産業をめぐる新たな動き
こうした中で、現代的なデザインを盛り込んだ製品の開発や用途の転換など、地場産業の存続のためのさまざまな取り組みが全国で行われています。例えば、銅器の産地である富山県高岡市では、市と県の公設試験研究機関による産業支援事業をきっかけに新製品開発の動きが活発化しています。東京など大都市在住のデザイナーとのマッチングも行われており、それも功を奏しています。また、こうした取り組みが行われる中で、地域外から地場産業の企業で働くことを希望する若者も増えてきています。
一方で、産地の枠を超えた取り組みも見られます。2017年に設立された日本工芸産地協会は、工芸品を作る全国の幅広い企業が参加している新たな団体です。この団体では、インバウンド向けの製品開発やプロモーションに関わる活動も行っており、大阪・関西万博にも出展しました。
地域のアイデンティティとして守る
現在では地域の経済的にも雇用的にも、産業全体に占める地場産業の割合は低下しています。しかし、地場産業はその地域にとっての文化や伝統という側面もあります。国は伝統的工芸品を守るための法制度を定めていますが、自治体としても産業観光の振興とあわせて活用していこうという動きが見られます。地域に根付いた産業として、いまだに地場産業を大切にしている地域は多く、地域のアイデンティティとして残していきたいと考えられているのです。
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福井県立大学 地域政策学部 地域イノベーション学科 准教授 勝又 悠太朗 先生
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