ペットフードは安全? ペットとヒトの健康を守る方法を検証

ペットフードは安全? ペットとヒトの健康を守る方法を検証

ヒトの行動がペットに影響?

近年家族の一員としてペットと暮らしているヒトが大勢います。ペットも飼い主であるヒトも、病気にならないことが一番です。ただ、ペットからヒトへ感染する病気はいくつかあり、代表的なものとして最近ではノミを媒介して発症するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)、以前から鳥類より感染するオウム病などがあります。
感染を防ぐには、ペットが病気になりにくい環境を整えることが大切です。私たち人間の何気ない行動が、ペットが過ごす環境に影響を与えているかもしれません。

ペットフードを分析

健康のためにまず重要なのは、食事です。実は、近年までペットフードに関する規制はほとんどありませんでした。現在は、化学物質を中心に規制があり、微生物学的には食中毒の原因となるサルモネラ菌など、特定の菌に対する通知規定が設けられています。そこで、現在売られているペットフードに含まれる、サルモネラなどのヒトにも動物にも感染して食中毒を起こす細菌を調べた結果、サルモネラは見つからず、安全な状態であることがわかりました。ただし、大量買いして開封後もある程度の期間使われることの多いドライフードは、開封後の状況に注意が必要です。

理想の飼育の指針をつくる

ペットの給水皿の水はどれくらいの頻度で替えるのが良いか、室内犬は散歩の後に足を拭かないとどうなるか、シャンプーはどれくらいの頻度が適切か、ペットと顔を近づけたりキスをしたりすると、ヒトとペットにどんな影響があるかなど、日常的な行動の科学的な検証が必要です。例えば、散歩後の肉球の衛生状態を調べれば、ペットとヒトが健康的に暮らすための指針をつくることができます。研究には、感染症学や予防衛生学のほか、微生物学の観点も不可欠です。
こうした科学的根拠に基づいた指針があれば、災害時の避難所でのペット対応にも生かすことができ、動物看護師がより適切に助言ができるようになります。人間の独りよがりの接し方にならず、ヒトと動物の健康を守る環境をつくれるようになるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

麻布大学 獣医学部 獣医保健看護学科 准教授 大仲 賢二 先生

麻布大学 獣医学部 獣医保健看護学科 准教授 大仲 賢二 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

細菌学

メッセージ

最近、「失敗したくない」という思いが強い人が増えている気がします。学生時代は失敗が許される時期なので、失敗を恐れずたくさん挑戦しましょう。その結果失敗してしまった時は、失敗であることを意識しましょう。失敗に気づければ、それは経験になり、同じ過ちをしないように考え、人生に生かせます。また、失敗したら開き直らず、きちんと認めることも大切です。ある人は「アマチュアは失敗したら言い訳をする、プロは考える」と言っていました。今のうちに失敗しながらたくさんの経験をして、自分で考えることを意識しましょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?

麻布大学に関心を持ったあなたは

はじまりは1890年に開設した東京獣医講習所でした。
まだ栄養状態が豊かでなかったこの国の、人の生活を豊かにするため、畜産の発展に寄与するため獣医師の養成をはじめました。それから約130年の時を経て、人の社会と動物のかかわりは深くなり、複雑になり、生きものすべてが新しいバランスで循環する「いのちのあしたのあり方」が求められています。
これが私たちの目指す「地球共生系」です。
最先端の研究と確かな実践力で、「人と動物と環境」に向き合い、地球のあしたをつくる。これが私たち麻布大学です。