講義No.16358 児童学 教育

子どもに寄り添う環境構成 遊びたくなる保育実践

子どもに寄り添う環境構成 遊びたくなる保育実践

登園時のモーニングルーティン

モーニングルーティンは、1日の始まりに気持ちを整えるための習慣として、SNSでもよく目にする言葉です。実は、保育園や幼稚園でも同じことが行われています。子どもたちは登園すると、荷物を片付けて出席ノートにシールを貼ります。この毎朝のルーティンは、単なる準備ではなく、「園モード」に気持ちを切り替える儀式なのです。また園の生活に慣れていない入園直後には、遊具を遊びかけの状態で保育室に出しておいたり、三輪車を園庭にスタンバイさせたりと、子どもが遊びたくなるように保育者が環境を整えます。こうした工夫を環境構成と呼びます。

不安がただよう登園・降園

人の生活には、さまざまな移行(トランジション)の場面があります。見通しが持てない移行、つまり災害などによる強制的な環境の変化は当事者にとっての「危機的移行」と呼ばれます。乳幼児にとっての入園は、人生で初めての移行であり、危機的移行としてとらえられます。
一方、日々の登園・降園は日常的移行です。移行には不安が伴いますが、それを和らげるために環境構成があります。
例えば降園時には、クラスを越えて異なる年齢の子どもが一緒に遊べる環境をつくったり、日中よりルールを緩やかにしてリラックスできるようにしたりと、保育者は細やかな配慮を積み重ねているのです。

豊かさを育む工夫を

保育の現場では、多くの「予想外」が起こります。例えば、机の上に粘土を用意しておいても、部屋の隅の洗濯物干しを持ち出して、バーベキューごっこを始めることもあります。それこそが、自分で遊びを生み出す、自分で場をつくり出すという子どもの豊かな力の表れであり、保育者が工夫を凝らした環境があってこそ、その豊かさが育まれるとも言えます。
保育実践研究の目的は、現場の「不足」を指摘することではなく、保育に必要な専門性や子どもたちの育つ力を言語化し、可視化することです。そして保育者が自分の仕事に誇りを持ち、保育という仕事の価値が社会に伝わっていく、そんな未来をめざしています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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福山市立大学 教育学部 児童教育学科 講師 渡邉 真帆 先生

福山市立大学 教育学部 児童教育学科 講師 渡邉 真帆 先生

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先生が目指すSDGs

メッセージ

もし「子どもと関わる仕事がしたい」と思っているなら、子どもを1人の人として尊重できる人になってほしいです。子どもを1人の人として尊重することで、子どもの目線に立って環境を用意できます。高校生の間は、「自分は何をしたいのか」を考える時間を大切にしてください。あなた自身の思いや考え、迷いを尊重しましょう。納得できる選択を重ねていけるよう、自分の本心としっかり向き合ってください。たくさん迷った先に、自分だけの道が開けていくはずです。

福山市立大学に関心を持ったあなたは

福山市立大学は、福山市が設置する公立大学、4学期制による効果的な履修、4年間を通じた少人数参加型授業や、街と一体となったキャンパスを拠点に、福山市全体をフィールドとした体験型授業の充実が特色です。公立大学の特色を生かし、教育学部では地域の教育・保育施設との連携により実践力のある教育者・保育者を目指します。都市経営学部は全国初の学際的な学部で、環境を基盤として工学系、経済学系、社会学系の3つの領域を総合的に学び、持続的な都市社会の発展を担える人材を育成します。