子どもに寄り添う環境構成 遊びたくなる保育実践

登園時のモーニングルーティン
モーニングルーティンは、1日の始まりに気持ちを整えるための習慣として、SNSでもよく目にする言葉です。実は、保育園や幼稚園でも同じことが行われています。子どもたちは登園すると、荷物を片付けて出席ノートにシールを貼ります。この毎朝のルーティンは、単なる準備ではなく、「園モード」に気持ちを切り替える儀式なのです。また園の生活に慣れていない入園直後には、遊具を遊びかけの状態で保育室に出しておいたり、三輪車を園庭にスタンバイさせたりと、子どもが遊びたくなるように保育者が環境を整えます。こうした工夫を環境構成と呼びます。
不安がただよう登園・降園
人の生活には、さまざまな移行(トランジション)の場面があります。見通しが持てない移行、つまり災害などによる強制的な環境の変化は当事者にとっての「危機的移行」と呼ばれます。乳幼児にとっての入園は、人生で初めての移行であり、危機的移行としてとらえられます。
一方、日々の登園・降園は日常的移行です。移行には不安が伴いますが、それを和らげるために環境構成があります。
例えば降園時には、クラスを越えて異なる年齢の子どもが一緒に遊べる環境をつくったり、日中よりルールを緩やかにしてリラックスできるようにしたりと、保育者は細やかな配慮を積み重ねているのです。
豊かさを育む工夫を
保育の現場では、多くの「予想外」が起こります。例えば、机の上に粘土を用意しておいても、部屋の隅の洗濯物干しを持ち出して、バーベキューごっこを始めることもあります。それこそが、自分で遊びを生み出す、自分で場をつくり出すという子どもの豊かな力の表れであり、保育者が工夫を凝らした環境があってこそ、その豊かさが育まれるとも言えます。
保育実践研究の目的は、現場の「不足」を指摘することではなく、保育に必要な専門性や子どもたちの育つ力を言語化し、可視化することです。そして保育者が自分の仕事に誇りを持ち、保育という仕事の価値が社会に伝わっていく、そんな未来をめざしています。
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