データサイエンスに革命を! 画期的なアルゴリズムを開発

データ分析の発展に欠かせない高速計算
データサイエンスの手法の一つとして、データを行列やベクトルといった数学的な表現に変換し、「数値線形代数」を用いてコンピュータで計算することでデータを分析する方法があります。行列とは数値を表に並べたもの、ベクトルとは大きさと向きをもつ量です。数値線形代数は、コンピュータ上で行列やベクトルの計算を効率的に行う方法を研究する応用数学の分野です。
データサイエンスの発展には、計算結果を高速に求めるアルゴリズム(計算手順)の研究が大きく貢献しています。固有ベクトルの直交性を保ちながら、固有値の小さいものから順に対応する固有ベクトルだけを計算できる手法が開発されました。
大量のデータを自動でグループ分け
例えば、n人分の身長・体重・腹囲のデータがあるとき、それらは n×3 の行列として表現できます。また、各人のデータを3次元空間上の1点とみなせば、n個の点の分布として捉えることができます。この n×3 の行列から n×n の「グラフラプラシアン行列」を構成し、一部の固有ベクトルを利用すると、3次元空間上に分布する点群を適切なグループに分割できます。
実際の計算では、人数も多く、特徴量の数も3に限らず、数百から数千に及ぶこともあります。大規模なデータに対して、高速に計算を行う技術が重要です。
波の性質がヒントに
固有ベクトルの直交性が保証される手法として、「QR法」と呼ばれるアルゴリズムが用いられてきました。QR法では、すべての固有ベクトルを計算した後、必要な固有ベクトルを抜き出します。そのため、計算時間が増大します。固有値の小さいものから順に対応する固有ベクトルだけを求めるアルゴリズムが開発されたことで、計算効率は向上しました。
この新しいアルゴリズムは、QR法より前に研究されていた「LR法」を基礎とします。LR法の挙動は、ソリトンと呼ばれる波の振る舞いと関係します。波の集団から小さい波が素早く分離する性質が、「小さいものから順に」という特徴を実現します。
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