実際に触れなくても感じられる!? デジタル技術の未来

人の感覚や温もりを再現
パソコンやスマホで会話している相手が、隣にいて一緒に過ごしているような感覚になったり、ディスプレイに映っている動物や物に、触れられる体験ができたりしたら、日常生活はどのようになるでしょう。これらはまだ実現していませんが、このようにデジタルで人の感覚を再現する技術開発が今、活発になっています。
例えば、VR空間で熱を感じさせる技術があります。VRゴーグルを被っているときに、頬に可視光を当てると、人はそこに熱を感じます。これを発展させれば、人が近くにいるときのわずかな温もりを感じさせるといったことが可能になるでしょう。
人の知覚情報と脳の錯覚
また、プロジェクションマッピングで食品の色を変えたら人はどう感じるのかを検証した、視覚と味覚に関する実験があります。人は、例えば白ワインの色を赤に変えるだけで、それを赤ワインの味だと感じたり、ポテトチップスの色を紫にすると、塩味が減って甘味が増すと感じたりします。これは、視覚情報が脳に錯覚を起こさせて味覚に影響を与えた結果です。
存在の気配や触覚といった人間の感覚を再現するには、こうした脳の錯覚をうまく利用することが重要です。それには、触覚や視覚といった人の知覚のメカニズムを理解する知覚心理学や、色彩を光の特性や心理的観点から理解する色彩科学など、人の感覚に関わる知識が不可欠です。
道具なしで何をどう感じさせるか
ほかにも、視覚を利用した空間の演出もできるようになりました。立体映像は、これまでホログラフィなどを用いた手のひらサイズほどのものが一般的でしたが、現在はコンサートホールといった規模のものが可能です。空間に霧を発生させて、そこにレーザービームで立体映像を映すと、肉眼のままでどの角度からでも同じ立体映像を見られます。今後は、イベントなどの演出で活用できるでしょう。
こうした技術の開発では、デジタル技術で人に何をどう体験させるかに焦点を当てています。今までにない、まったく新しい感覚が実現されつつあるのです。
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