地域コミュニティを再生するには? 被災地の復興から考える

住民の営みや関係性を分析
地域社会学は、特定の地域について調べる学問の中でも、その地域に暮らす人々の営みや関係性などに焦点を当てて分析する学問分野です。研究手法は、アンケートなどによる量的調査や現地に赴いて行うインタビュー調査、地域の活動に実際に参加する参与観察まで多岐にわたります。
福島県双葉町は2011年の東日本大震災後、原発事故のため帰宅困難区域に指定され、避難指示解除後も大多数の住民は町に戻っていません。そんな中でも、双葉町の人々は自治会やサークル活動を開催し、地域を盛り上げようと奮闘しています。住民の活動に触れながら調査をすることで、人々のつながりや課題について分析する研究が行われています。
町の本当の復興とは
原発事故前は6,000~7,000人ほどが暮らしていた双葉町ですが、避難解除後には100人程度の住民が地域に戻り、復興をめざしています。復興と一口に言っても、個人の生活レベルが元の水準に戻ることと、町自体が元通りになることは異なります。個人の生活レベルはある程度回復していますが、町の復興はそう簡単ではありません。もちろん、以前に比べて町並みは少しずつ整備されてきています。ただ、町に戻る人が少ない中で、町の景観やインフラが回復することが住民や元住民にどの程度望まれているのか、その期待度も人によってまちまちであることに難しさがあります。
暮らしを記録する重要性
東日本大震災や原発事故から時がたち、被害を受けた地域も外見上は整ってきたことで、人々の関心は薄れつつあります。しかし、双葉町に住民が戻ったのはこの数年ほどのことです。それ以降の人々の生活や地域活動はどうなっているか、事故後の対応や経験がどのように生きているかなどについて、十分な記録や分析はなされていません。被災後の住民の活動は、ほかの災害対応や復興の道筋を考える上でも大きな鍵になります。双葉町の暮らしを記録し、研究していくことには重要な意義があるのです。
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