暗号資産の実際のリスクは? 投資価値の「測り方」を考える

暗号資産はお得なのか
「暗号資産」は、短期間で価格が大きく上がることもあれば急落することもあります。そのため、本当に得な投資なのかを判断するのが容易ではありません。金融工学では、こうした将来どれぐらい利益が出るか予測が難しいものを、データを用いて分析します。ある研究では、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産と、アメリカの代表的な企業の株価指数と連動する金融商品「SPY」を比較し、暗号資産が本当に合理的な投資と言えるのかを分析しました。
別の「ものさし」で測ると
分析で使われたのは「オーマン・セラーノ指数」という評価指標です。従来の投資分析で多く用いられる「シャープレシオ」という評価指数では、「値動きが大きいほどリスクが高い」とされます。一方で、暗号資産はかなり極端な値動きをすることがあり、単純な価格変動の大きさだけでは実態を測りきれません。そこで、「突然、破滅的な損をするリスク」も含めて分析ができるオーマン・セラーノ指数が用いられたのです。
その結果、暗号資産の中でも時価総額が最大であるビットコインは、それほど高く評価されませんでした。さらにイーサリアムはビットコインよりも約14倍高く評価され、SPYはこれら暗号資産よりも合理的な投資対象だと示されました。これはシャープレシオによる分析とは、大きく異なる結果でした。
価値をどう評価すればいいか
株式や暗号資産は世界中で日々売買されていますが、その本当の価値は誰にもわかりません。その価値に対し、金融工学は、過去のデータや将来予測モデルを基に「どのように評価するのが妥当なのか」を考えます。新しい金融商品が登場すれば、新しい評価方法も必要になります。いわば、評価の「ものさし」を研究しているのです。そして実際の市場データを用いて、使われているものさしが現実に合っているのかも検証していきます。金融工学は、金融という経済活動を対象に、「どう測るか」を考え、人の合理的な判断を支える学問だと言えるでしょう。
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