物流も時間割も数学で解決! 社会を支える「最適化」の研究

「数理最適化」でさまざまな課題を解決
オペレーションズ・リサーチ(OR)とは、身の回りの課題を数式で整理し、よりよい解決方法を探す研究分野です。代表的な手法の一つが「数理最適化」で、「どうすれば最もよい状態になるか」を考えるものです。例えば、大学の時間割や教室の割り当ては、授業が重ならないようにしつつ、必要な科目を無理なく履修できるよう配置しなければいけません。教室の大きさや使用条件、開講形式など、細かく複雑な条件を数式に落とし込み、コンピュータを使って実用的な答えを導き出すのがORの役割です。物流や交通、在庫管理など、社会のさまざまな場面で活用されています。
試行錯誤を重ねる面白さ
数学と聞くと、「必ず正しい一つの答えがある」と思う人も多いかもしれません。しかし、現実社会の問題は条件が複雑すぎて、すべての組み合わせを調べることは現在のコンピュータでさえ困難です。そのためORでは、「理論上の完璧な答え」を追い続けるよりも、限られた時間で実用的な解を見つけることが重視されています。どんな問題も一度でうまく解けることは少ないので、条件を追加したり、解き方を変えたりしながら試行錯誤を重ねていきます。数字だけを追求するのではなく、その答えによって社会がどう変わるのか、どう快適になるのかを考えるところに、この研究の意義があります。
AIとの組み合わせに期待
AIは膨大なデータから学習し、素早く答えを導き出せます。一方で、社会全体をどう動かすかという「仕組みづくり」まで行うには、ORの考え方が欠かせません。例えば物を配送する際、車やドローンなどを安全に運行させるだけでなく、どの道をいつ通れば全体がスムーズに動くか、そして何台運用する必要があるのかという視点がなければ効率のよい配送システムはつくれません。ここを考えるのがORです。AIとORを組み合わせた研究で、未来のスマート社会を支えることが期待されています。数学は単なる計算ではなく、社会の課題を整理し、よりよい未来をつくるための道具なのです。
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