人間はなぜ、衝動買いをしてしまうのか?

人間はなぜ、衝動買いをしてしまうのか?

本来の目標はわかっているはずなのに

ある商品に興味を持った時、私たちの心では葛藤が生じています。手持ちのお金が心細い時や、ほかに欲しいものがあって貯金をしている時、もう少し待てばセールで安くなりそうな時などは、その商品を買わずに我慢する自制心が働きます。我慢することによって、後で最大限の利益が得られるからです。ところが、私たちはしばしば我慢しきれずに衝動買いをしてしまいます。魅力的なセールスコピーや、有名タレントがその商品を愛用しているから、といった誘惑に負けてしまうのです。めざすべき目標はわかっているはずなのに、なぜでしょうか?

活性化する目標はその時々で変わる

人間の心理は、常にさまざまな情報に影響されています。それらの影響によって、その時々で活性化する目標も異なってきます。例えば、節約することが本来の目標なのに、友達と連れ立って街を歩いている時、つい盛り上がって何かを衝動買いしてしまうことがあります。この場合、友達と買い物をして場の空気を損ねないことで対人関係を維持するという目標が、節約するという本来の目標より優先されています。節約するという目標を自ら破ってしまうと、罪悪感を消すために、次々と衝動買いを続けてしまう場合もあります。ダイエット中の人が、甘いものをつい口にしてしまったのをきっかけに、次々に甘いものを食べてしまう現象も同じです。この現象は「どうにでもなれ効果(The What The Hell Effect)」と呼ばれています。

他人や自分自身を客観的にとらえる

このように、自分自身を含む身近な人々の行動の選択肢を分析して、知識としてそれを蓄えていくことができるのが、心理学の面白さです。そうして得られた知識は、他人の行動をより深く理解しようとする際にも役立ちます。心理学の知識は、自身を客観的に見つめることや、私たちが現代社会で感じる生きづらさを和らげることにも利用できるのです。

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京都産業大学 現代社会学部 心理学科(2027年4月着任予定) 准教授 下田 麻衣 先生

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メッセージ

身近で起こっている出来事を通して、人の行動や考え方に常にアンテナを張っておきましょう。普段何気なく私たちが行っている行動から、いろいろな「人のこころの不思議」が見えてくるかもしれません。何気ない行動を疑問に思うことは、他者の理解だけではなく、あなた自身を理解することにも役立つと思います。さまざまな角度から客観的に物事を見る姿勢を養いましょう。

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京都産業大学は、文理10学部1学環・約16,000人の学生が集う一拠点総合大学です。ワンキャンパスの強みを生かし、分野横断型の学びと企業連携による実践教育を展開。「デジタル・グローバル・イノベーション」を軸に2030年代を見据え、急速に変化する社会に対応できる人材を育成します。また、学生と企業のベストマッチングを図る丁寧な進路サポートにより、就職率は98.2%と高い実績を維持。大手企業や公務員など確かな進路を実現する京都の舞台で、全国から集う仲間と共に理想の未来を描きませんか?