一緒に「柱」を作ると、建築が見えてくる

建物を象徴する柱
柱は、建物全体を支えたり、地震や強風による圧力に抵抗したりする、構造上欠かせない建築部材です。日本の伝統的家屋では大黒柱が家の中心に立てられ、家族や生活の精神的な支えになっています。古代ギリシャの神殿もまた、複数の柱が一定の間隔で並んで屋根を支えます。
この建築要素の関係についての決まりごとは「オーダー」と呼ばれ、歴史の中で反復されるものでした。建築のオーダーの起点となる「柱」は、構造的にも象徴的にも建築そのものを表すといえるでしょう。
柱を即興で作るグループワーク
カラフルなブロック玩具を使って、天井まで届く高い柱を作るワークショップが実施されています。「ブロック玩具は市販のセットのみを使う、時間は30分、人数も5人程度」といったルールを設けて、グループで制作します。事前の設計図は作成せず、完成物を撮影し、解体してから、記録図面を描くという、通常の建築設計とは逆の設計手法となっています。
参加者は話し合いながら即興で柱を組み立てていきます。大きさや形が異なるパーツを積み重ねたり、支えとなる柱礎(ブロックを型枠にしたコンクリートブロック)を複数用いて倒れないようにするなどの工夫を重ねた作業の結果、仮設的でありながら、そこにしかない形式をもつ「柱」が完成します。
カタチを見つけ、設計図を描く
「柱」のワークショップは、多様な立場の人々が設計図なしで対話しながら新しい価値やアイデアを提案し、完成した建築物から設計図を起こすという、通常の建築とは逆の手順で制作されます。制作の過程で実際に柱が立つように工夫し、自分たちのカタチを見つけていくのです。
外観や内装などの意匠は、予期せぬ使われ方や周辺環境による変化を受け入れて、歴史の中で生き延びてきました。集団で作る際には、条件の変更に柔軟な対応をしながら、建物の造形や空間構成を考えることで、デザインが生まれます。さまざまな制約を抽象化した「ブロック玩具を積む」というワークショップを通じて、建築意匠を学ぶことができるのです。
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先生情報 / 大学情報

お茶の水女子大学 共創工学部 人間環境工学科 准教授 片桐 悠自 先生
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