英語が話せても、すぐにはイギリスの大学に入れない教育の仕組み

国と国の間にある入学の「段差」とは
どれだけ英語が堪能だったとしても、日本の高校を卒業してイギリスの大学にそのまま入ることはできません。それは、入学年齢や就学期間の長さ、春季入学と秋季入学といった表面的な違いだけが理由ではありません。
日本では6才で小学校に入学し、義務教育は9年間、学校段階は6−3−3制で構成されています。一方で、イギリスでは、初等学校5〜11才、中等学校11〜16才が義務教育に相当し、日本の高校卒業程度の学修を済ませます。ただ、大学進学を希望する人はその資格取得のための課程(シックス・フォーム)でさらに2年間学ばなければなりません。日本の大学は4年間、イギリスの大学は3年間ですが、そのぶん日本の大学1年で学ぶような入門的な科目を、イギリスではこの2年間の課程で学びます。日本の高等学校は、通常はこの2年間の課程に相当する内容をカバーしていません。
ビジネスにもなる教育の仕組み
このように、日本とイギリスの教育制度の間には「段差」が横たわっています。これは日本とイギリスの間に限ったことではなく、国が違えばそれぞれの国の教育制度の間を移動するのに少なからず「段差」や「溝」が存在します。
そこでイギリスはこの「段差」に着目し、留学生対象の「経路プログラム」を提供することで世界中から留学生を呼び込み、イギリスの大学へと誘ってきました。プログラムで学んだ留学生をそのまま大学正規課程に誘えば、大学教育の質も維持でき、国内学生の2〜3倍の授業料収入が見込めます。「段差」や「溝」を留学生獲得のビジネスチャンスとしてとらえているのです。
身近なところにもある教育の仕組み
教育を仕組みとしてとらえれば、身近なところでも発見があります。例えば、毎日使う教科書—実は、地域ごとにどの教科書を採択するかを決める会議があり、採択の過程で市民の声も反映されます。仕組みという視点で見ることで、子どもの教育に地域の一般市民が参加できるよう工夫されていることがわかるのです。
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福山市立大学 教育学部 児童教育学科 准教授 三山 緑 先生
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