環境発電とデジタルツイン

環境発電とデジタルツイン

捨てられる熱を電気に変える技術

私たちの身の回りでは、さまざまな場所で熱が捨てられています。例えば、自動車や船舶のエンジン、工場の製造設備などでは、多くの熱が利用されないまま放出されています。排熱発電は、このような「もったいない熱」を電気に変えることで、エネルギーを有効活用できる環境にやさしい技術です。
この技術を利用した、電池交換が不要なセンサ用電源や、バッテリー充電システムの開発が進められています。これらの技術は、将来の省エネルギー化や二酸化炭素(CO₂)の排出削減につながることが期待されています。

電池交換が不要な通信システム

開発中の技術の一つが、自動車や船舶のエンジンの状態、工場の設備の温度などをセンサで計測し、BluetoothやWi-Fiを用いてリアルタイムにデータを送受信する「環境センシングシステム」です。このシステムの電源に、物質の温度差を直接電気に変える「熱電発電」の技術を活用し、将来的には電池交換が不要な通信システムの実現をめざしています。材料工学、電気・電子工学、情報・通信工学の知識を組み合わせることで、環境にやさしく、社会に役立つ新しい技術を創出することができます。

コンピュータで未来を予測する技術

環境センサを自動車や船舶のエンジン、工場の製造設備などに設置すると、温度や圧力、燃費などのさまざまなデータを計測できます。これらのデータは、数学・物理・情報科学の知識を活用して解析することで、現象を表す数式(モデル)に表すことができます。そのモデルをもとにコンピュータ上でシミュレーションするための研究も行われています。このようにエンジンの排熱を利用した発電や、工場設備の稼働状態などをコンピュータ上の仮想空間に再現する技術を「デジタルツイン」といいます。これを実現し、複雑なシステムの未来の状態を予測することで、より安全で効率的な社会をつくることが期待されています。

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近畿大学(広島キャンパス) 工学部 電子情報工学科 准教授 麻原 寛之 先生

近畿大学(広島キャンパス) 工学部 電子情報工学科 准教授 麻原 寛之 先生

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電子情報工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

勉強するときは、「この学びが将来どのように社会に役立つのか」を意識してみてください。また、焦らず基礎学力をしっかり身につけてください。理系科目だけでなく、英語や国語、地理や歴史も重要です。国際社会では、多様な背景を持つ人々と協働し、新しい価値を生み出す力が求められます。そのためには、コミュニケーション力に加え、文化や社会情勢を理解する幅広い知識と柔軟な発想が欠かせません。高校時代の勉強やさまざまな体験を通して感性を磨き、自分なりの視点で社会を見つめる力を育ててください。

先生への質問

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近畿大学工学部は、広島県(東広島市)にキャンパスを構えており、化学生命工学科、機械工学科、ロボティクス学科、電子情報工学科、情報学科、建築学科の6学科で構成されています。西日本屈指の総合大学の1学部であるというスケールメリットを生かした、研究環境や就職支援体制も魅力です。実験・演習を重視した実践的な教育を展開し、地域や企業と連携しながら、社会に役立つ研究に力を入れています。