色と素材で人の心を動かす「CMFデザイン」

色と素材で人の心を動かす「CMFデザイン」

同じ形でもCMFで印象は変わる

Tシャツやペンを選ぶとき、機能のほかに「この色が好き」「この素材が使いやすそう」と感じたものを手に取ることが多いでしょう。実は、この「選ぶ」という行動こそがCMFデザインの入り口です。
製品の第一印象を決めるのは、形だけではありません。色が変わるだけで印象は大きく変わり、素材や表面の仕上げによって、高級感や温かみ、使い心地のイメージも変化します。このように、Color(色)、Material(素材)、Finish(仕上げ)の3つの要素を設計し、製品の価値や魅力を高める分野が「CMFデザイン」です。

「好き」を工学で読み解く

CMFデザインは、ただ自分の好きな色や素材を選ぶものではありません。なぜ「好き」と感じるのか、なぜ「使いやすそう」と思うのか、人の感性やユーザー心理、使用環境、素材の特性などを工学的な視点から分析します。
例えば、自動車や自転車などのデザインでは、安全性や快適性、耐久性、環境への配慮といった条件を満たしながら、色や素材、仕上げによってブランドの個性や使い心地を表現しています。近年では生成AIもアイデアを広げるためのブレインストーミングに活用され、デザイン案を素早く可視化し、比較・検証しながら新しい価値を生み出す手法として注目されています。

「サスマテ」って知ってる?

CMFデザインでは、製品を美しく見せるだけでなく、環境への負担を減らすことも重要なテーマです。近年、デザイン業界では「サスマテ(サステナブルマテリアル)」という言葉がよく使われています。これは、再生プラスチックや植物由来の素材など、環境に配慮した材料のことです。しかし、環境に優しい素材を使うだけでは、本当に良いデザインとはいえません。愛着を持って「永く大切に使いたい!」と思える、いわゆるロングライフデザインの魅力があってこそ、製品は大切に使われ、環境負荷の低減にもつながります。人の心を動かすことと、持続可能な社会を実現すること、その両方をめざすのがCMFデザインです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

前橋工科大学 工学部 建築・都市・環境工学群 教授 中島 陽子 先生

前橋工科大学 工学部 建築・都市・環境工学群 教授 中島 陽子 先生

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CMFデザイン、工業デザイン

メッセージ

好きなことを信じて、行動し続けてください。私はデッサンが苦手で、美大受験に不安を感じた時期がありましたが、色を使う課題では誰よりも評価してもらえました。だから、その道を信じて進んできました。周囲の大人に「それは良くない」と言われて、好きだったことを諦めてしまう人は少なくありません。でも、誰かの評価はその人の視点に過ぎず、あなたの「好き」や「得意」は、別の場所できっと輝きます。自分の感性を否定せず、どんな形でも表現し続けることが、あなたの可能性を開くのです。

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