観察と判断のスペシャリスト 救急救命士に必要な生涯教育

病院までに命を救う
救急救命士は、プレホスピタル(病院到着前)で人の命を救うスペシャリストです。救急隊は救急現場に駆け付け、病院に運ぶまでの間に応急処置を行いますが、その中でも救急救命士は医師の指示のもと、薬剤の投与など高度な救命処置を行う国家資格です。
ほとんどの人は消防の救急隊で活躍していますが、自衛隊、海上保安庁、病院などで働く人もいます。災害現場にも欠かせない存在で、DMAT(災害派遣医療チーム)などで活動する救急救命士もいます。
欠かせない病院実習
大学や専門学校の救急救命士の養成課程では、160時間以上の病院実習が必ず行われます。主に地域の病院の救命救急センターや救急外来で、運ばれてきた患者の受け入れや観察・処置について学びます。ドクターカーへの同乗が行われることもあります。また、プレホスピタルとインホスピタルの違いや、チーム医療の実態、医療者としてあるべき姿、人の命に関わる医療職の厳しさ、やりがいを学ぶ貴重な機会となっています。
スキルアップする教育の仕組みを
救急救命士には、まだ病名がわからない患者に対し、リソース、情報、時間が限られた現場で的確な処置を行う観察力、判断力が求められます。さまざまな患者に対応するため、幅広い医学の知識も必要です。このため、病院実習などの生涯教育を2年間で128 時間以上行うことが推奨されています。
個々の生涯教育における病院実習では、搬送することの多い病院だけでなく、幅広く地域の病院で実習することで、その地域の医療について学ぶことができます。また、近年は在宅で医療を受けている人が、緊急搬送されることも多くなっています。そのため「訪問看護について学ぶ」などと明確な目標を設けてプログラムを組むことにより、満足度の高い実習になる例もあります。各地域で救急のニーズを踏まえ、個々人のスキルに合わせた生涯教育の仕組みをつくることは、これからの救急医療の大きな課題となっています。
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