90分の仮眠で本来のスポーツパフォーマンスを最大限に引き出す!

生体リズムが引き起こす午後の眠気を予防する仮眠
「昼食後は眠くなる」とよく耳にしますが、原因は食事だけではありません。夜に8時間や10時間の睡眠をとっていても、14:00~16:00頃には眠気が生じます。これは身体に備わっている12時間周期の生体リズム(体内時計のリズム)の影響によるものです。
この時間帯のパフォーマンス低下は「ポスト・ランチ・ディップ」と呼ばれ、脳機能(注意・覚醒機能)の低下による文字の読み取りミスや居眠り事故の増加、スプリントタイムの悪化などが報告されています。わずか1%のパフォーマンス低下が勝敗を大きく左右するアスリートにとって、「ポスト・ランチ・ディップ」への対策は必要不可欠です。
運動後の回復を促進する仮眠
アスリートは1日に複数回(例:午前と午後など)の練習を行うことがあり、その合間に心身をどのように「回復」させるかが、練習効率や本来のパフォーマンスを最大限に引き出すための重要な鍵を握ります。また、運動後には深い眠りである「徐波睡眠」が増加することが多くの研究で報告されています。これは、運動後の身体が深い眠りを求めている状態であるとも言えます。
したがって、午前中の激しい運動後は、午後の練習前に徐波睡眠を含む仮眠をとれば、さらなる回復効果が期待されます。しかしながら、運動後の回復を促す仮眠に焦点を当てた研究は、ほとんど行われていませんでした。
仮眠20分・30分と仮眠90分の効果を比較
そこで、予防的な仮眠(30分、90分)と運動後の回復を促す仮眠(20分、90分)の効果の比較が行われました。実験の結果、どちらの研究でも、仮眠をとらなかった時と比べて、反応時間や複雑な判断力が求められる脳機能課題での成績が改善しました。さらに、20分・30分よりも90分の仮眠をとった時の方が、より大きな改善効果が認められました。これらの知見をスポーツで活用すると、卓球やボクシングなど、素早い反応や瞬時の判断力が求められる競技でのコンディショニングへの効果が期待されます。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報

帝京平成大学 人文社会学部 経営学科 トレーナー・スポーツ経営コース 講師 田邊 弘祐 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
睡眠学、時間生物学、運動生理学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
![選択:[SDGsアイコン目標3]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-3-active.png )
![選択:[SDGsアイコン目標4]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-4-active.png )