集団に協力するのはなぜ? 人間の心理の癖を解明

社会はさまざまにグループ化されている
社会で人々はさまざまなグループ(集団)に属しています。家族や友人といった少人数のものから、学校のクラス、学校全体、住んでいる自治体、大きな集団では人種、国家というように、グループの形態は多様です。
社会心理学では、自分が所属するグループのことを「内集団(ないしゅうだん)」と呼び、所属していないグループを「外集団(がいしゅうだん)」と呼びます。そして、人間は心理的な癖として、内集団に対して協力する傾向があります。これが「内集団バイアス」です。
「集団のバイアス」を実験
社会心理学では、人間の心理的なバイアスを検証するため、調査と実験を行います。個人の心理ではなく、グループや社会の人々の心理を探るので、仮説を立てて結果を導き出すためには集団での実験が重要です。
内集団バイアスの実験では、最小条件で便宜的に2つに分けた集団のメンバーがどのような行動を取ったかをデータ化していきます。例えば、「絵の好み」のような条件でその場で分けられたグループであっても、メンバーはそれぞれの内集団にとって都合のよい行動を選択します。この内集団バイアスは人間が進化の過程で獲得した助け合いの行動と考えられています。
人間の性質を明らかに
1950年代に心理学者のソロモン・アッシュが行った有名な実験があります。8人のグループをつくり、その中の7人がうその答えをわざと正しいと言えば、残りの1人は自分が正しいとわかっていても、間違いの答えに同調してしまう、というものです。このような実験は、コンピュータのシミュレーションに頼らず、現実の人間がどういう性質を持っているかを確かめるのに役立ちます。
内集団バイアスの実験も同調の実験も、「状況要因」を重視します。人はそれぞれ違うものだと認めつつも、ある場面では同じ集団の人を助けたり、ある場面では他者に同調しようとするなど、状況によって人の心は変化していくのです。
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高知工科大学 経済・マネジメント学群 人間行動専攻 進化・社会心理学研究室 教授 三船 恒裕 先生
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