画像解析とAIを核医学に生かす 臓器の状態を正確に診断!

臓器の「働き」を見る
放射線を出す薬剤(放射性医薬品)を体内に入れ、その放射線を検知して画像を作り、病気の診断・治療をする医療を「核医学」と言います。臓器の「形」を見るレントゲンやCTと異なり、核医学は臓器の「働き」を見ます。
核医学検査の一つである「心筋血流シンチグラフィ」は、心臓に栄養を運ぶ血液が行き届いているかを調べます。
現在、画像解析やAIによって、画像をより鮮明にする方法が研究されています。
画像解析やシミュレーションを活用
心臓に栄養を運ぶ血管の診断画像(冠動脈造影画像)で、問題ないように見えても、実は血流が不十分(虚血)という例がありました。そこで、冠動脈造影画像に対して、核医学で使われていた「パトラックプロット解析」を用いて心筋の血流情報を得る方法が開発されました。これにより、どれくらいの造影剤量が心筋に届いたかを画像解析により求めるのです。
また、確率論を基礎とする「モンテカルロシミュレーション」もまた核医学に生かされています。一定の条件下で放射線がどのように振る舞うかをシミュレーションすることで、新しい放射線医薬品や機器の導入がスムーズになると期待されています。
AIで鮮明な画像を生成
AIを活用して、より鮮明な画像を生成する研究も行われています。
99mTc−PYPという放射性医薬品を用いた心筋シンチグラフィでは、心臓の位置を正確に特定することが難しいという欠点があります。そのため、正しい心臓の位置をAIに学習させることで、元の画像だけでは判断が難しい症例でも容易に心臓の位置を特定する方法が開発されました。
脳の核医学断面画像の検査では、CT画像を用いて補正を行うことで正確な画像を得ます。しかしながら、CT検査を行っていない症例ではこれができません。そこで、MR画像から骨の位置を正確に同定し、正確な核医学画像を描出するための補正画像を作成するAI手法の開発が進められています。
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帝京大学 福岡医療技術学部 診療放射線学科 講師 関川 祐矢 先生
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