日本語学習者がつまづく日本語

オンラインで日本語を習得
オンライン環境の発達により、外国人留学生の日本語習得の姿は大きく変わっています。来日時には「あいうえお」から学び始める学生がいる一方で、近年は留学前にある程度の日本語力を身につけてくる学生が増えています。アプリやオンラインゲームなどを通じて日本人ユーザーと交流し、自然な日本語に触れる機会が広がったことが大きな要因です。
意外なハードル
しかし、こうして身につけた日本語にも意外なハードルがあります。オンラインで習得した日本語はカジュアルな表現が中心であり、大学でのレポートや発表で使う日本語や、日本で働く際に求められるビジネス日本語とは大きく異なります。また、調査によれば、日本人にとっては高度ではない表現でも、留学生が難しさを感じる例があります。例えば「ザーザー」「キラキラ」といった擬音語・擬態語、「リベンジ」「アクセス」などのカタカナ語です。特に、本来の意味と異なるニュアンスで使われるカタカナ語は、理解の壁になりやすいと言われています。留学生の専攻分野は幅広く、どの点に困難を感じるかも様々です。だからこそ、言語の使用実態を丁寧に調査する必要があります。
本当に必要な言葉を覚えるには
使用実態の調査は、留学生だけにとどまりません。現在、日本には約322万人(2023年6月末)の在留外国人が暮らしています。日本語教育の対象は、介護・看護などの専門職、地域で生活する子どもたちへと広がっています。例えば、ある小学校の調査では、算数の問題の「答えを求めなさい」という文に対し、「求める」を「want」の意味でしか認識していないために、答えられなかったという結果があります。このように、学習者の日本語使用の実態を把握し、分野や生活に即した教育環境を整えることは、外国人がそれぞれの能力を発揮し、安心して暮らすための大切な支えとなるはずです。今後も実態調査を進め、その結果を教育に還元していくことが、外国人との共生社会の実現につながるでしょう。
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帝京大学 外国語学部 国際日本学科 講師 藤田 百子 先生
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