「先生が足りない!」 学校を支える制度を歴史から探る

学校の「当たり前」はどのように生まれるのか
あなたの学校に、100人の生徒がいるクラスはないでしょう。また、クラスの人数が決まっていることや、クラスごとに担任の教員がいること、時間割に数学や国語などが組み込まれていることを、普段は不思議に思わないでしょう。
しかし、こうした学校の「当たり前」は自然に生まれたものではなく、制度によって支えられています。教育行政学は、授業の教え方ではなく、1クラスの人数や教員の配置、教育を受ける条件など、教育を成り立たせる土台に目を向ける学問です。
理想の教育を支える制度とは
「こんな授業をしたい」「子どもともっと関わりたい」と教員が考えていても、制度や働く環境が整っていなければ実現は難しくなります。学校でも働き方改革が進められ、教員は早く帰るよう求められる一方、業務量が十分に減らず、仕事を持ち帰るケースが見られるのが現状です。また、教員数が足りないため、授業のない時間に別のクラスを手伝ったり、担任のいないクラスをほかの教員が支えたりすることもあります。教育行政学では、教員の人数や採用、働く環境といった制度から、教育を支える仕組みを考えます。
歴史から今を考える
教員不足は近年だけの問題ではありません。1960年代には、都市部やその周辺で子どもが増え、特に小学校の教員が不足しました。自治体の資料をたどると、教員を増やすため、地域ごとに異なる対応が見えてきます。埼玉県では教員養成所を設け、神奈川県では中学校教員などの免許を持つ人に小学校免許の取得を支援していました。さらに神奈川県では免許取得を推進するため、半日は学校のベテラン教員のもとで学び、半日は大学で授業を受ける仕組みもありました。
過去の取り組みからは、現在の新人教員が学校現場に慣れるための支援のあり方も見えてきます。今とは教員不足の背景が異なるため、そのまま活用するわけにはいきませんが、過去の対応と課題を検証することは、現在の免許制度や教員確保のあり方を考える手がかりになります。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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