「モノの見方」「意識のあり方」を、変えることで生まれる可能性

「モノの見方」「意識のあり方」を、変えることで生まれる可能性

「CDは1人1枚」という常識を疑ってみる

ニューアルバムが出たら、すぐにCDショップに駆けつけたくなるような、大好きなアーティストはいますか? ただ、どんなに好きなアーティストでも、同じアルバムなら普通は1枚しか買いません。
ところが最近、一部のアイドルのCDは、1人のファンによって一気に5~10枚が購入されるという現象が起きています。「握手会」のチケットを付けたり、ファン投票券を同梱するなどで、「CDは1人1枚」という常識を覆したわけです。

小都市の動物園で、大都市以上の来客を実現

もしもあなたが経営者だとしたら、人が多い大都市の店と人が少ない地方都市の店、どちらが有利だと思いますか? 通常、大都市の方が有利だと思いがちですが、人口40万に満たない北海道の小都市にある動物園は、ある工夫を通じて、東京の有名動物園の月間来園者数を追い抜きました。動物たちのオリやプールの形状を変え、「動物」を見せるのではなく「動物の行動」を見せる展示方法に切り替えたからです。
前述のCDマーケティング手法にも共通して言えることですが、「モノの見方」を変えれば、売りにくい商品の売り上げを伸ばしたり、立地条件の悪い場所に、多くの来場客を集めたりすることも可能なのです。

「モノの見方」を変えればいろいろなことが変わる

「モノの見方」を変えることで、どんな可能性が生まれるのかが、経営学の研究テーマの1つです。「売り方(マーケティング)」に関してばかりではなく、経営者や社員の「意識」についても同様です。「勉強しなさい!」と命じられて勉強するのと、自分の目標に向けて自発的に勉強するのと、どちらが頑張れるか、言うまでもないでしょう。
なぜ業績が伸びないのか、誰が悪いのか、といったネガティブな面ばかり追究するのではなく、この企業にはこんな長所がある、こんな社員もいる、これをどうやって伸ばそうかと、ポジティブに考えることによって、業績が劇的に変わるケースも少なくないのです。

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福岡大学 商学部 経営学科 教授 合力 知工 先生

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メッセージ

店頭に、とてもマズいお菓子が並んでいたとします。並べているだけでは、きっと大量に売れ残ってしまうでしょう。でも、「罰ゲームにピッタリ! 大爆笑間違いナシの衝撃的な味!」といったキャッチコピーを付けて売れば、どうでしょうか?
普通に考えると売れそうにない商品でも、見方を変え、売り方を工夫すれば、大ヒット商品になるかもしれません。経営学では、「モノの見方」を変えることで、企業経営やマーケティングがどのように変化するかを研究します。あなたも一緒に、「モノの見方」について考えてみませんか。

先生への質問

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福岡大学は、9学部31学科、在学生2万人を有する総合大学です。多くの学生や教職員が行き交う広大なキャンパスは福岡市の南西部に位置し、都心部との交通の便もよく、活気に満ちあふれています。「ワンキャンパス」に全学部が集結しており、総合大学の魅力を生かし、学問・研究および課外活動などにおいて学部間の交流が盛んに行われ、文系・理系だけにとどまらない幅広く多様な視野と知識を得ることが可能な大学です。また、創立から90周年で輩出した卒業生総数は28万人を超え、あらゆる分野で力を発揮しています。