「遊び心」があれば、保育も、地域も変わる!

「遊び心」があれば、保育も、地域も変わる!

靴を並べて描いた「大きな顔」

保育園の玄関で、子どもたちがあちこちに散乱している靴を並べながら、福笑いのように大きな顔を作って遊びはじめました。保育者は、それを楽しそうだと感じても、園での立場や時間の制約もあるため、つい片づけるように声をかけてしまいます。しかし「すごい! 面白い顔ができた」とか「ほかにも作ってみてはどうか」など、内心はその場面を楽しみたいと感じる人や、実際にそうした対応をする人もいます。このような大人の遊び心を生かした保育を考えていくためには、「心の余裕を持つ」といった保育者自身の成長も見ていく必要があります。

学びのない遊びがあってもいい

地面に半分埋まったタイヤを使って子どもたちが遊んでいる時に、保育者が「こんな跳び方をすれば、跳び箱も上手に跳べるようになるよ」と声をかけました。子どもたちは言われたように跳びはじめましたが、そのうちに「先生、これが終わったら遊んでもいい?」と言いました。このように、保育者は遊びの延長のつもりでも、子どもたちに「こうあってほしい」という育ての欲が出てくると、子どもは課題のように感じます。無駄に思えるような遊びも多くある中で、保育者はすべてを学びに結び付けようと思わず、子どもたちがどこまで心から楽しんでいるかを、自身の遊び心を持って見極めることが大切です。

公園は「ボール遊び禁止」にすべき?

大人の遊び心が必要なのは、保育の現場だけではありません。例えば公園で「ボール遊び禁止」といった注意書きを見かけることがあります。実際に公園を利用する子どもの保護者に調査をすると「それほど神経質になる必要があるのか?」といった「子ども心」を理解するような回答も多くあります。現在は高齢者など公園の利用者の幅が広がっています。そのような中で、大人が遊び心を持つことで、子ども心を理解した大人と子どもの世代間の交流が起こり、そこから暮らしやすい地域づくりにもつながると考えられています。

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白鴎大学 教育学部 児童教育専攻 准教授 山路 千華 先生

白鴎大学 教育学部 児童教育専攻 准教授 山路 千華 先生

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幼児教育学、保育者養成、保育実践

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校生にとっての大学選びは、人生を決めることだと思っているかもしれません。しかし私は、音楽大学に進んだものの、たった数週間の幼稚園実習で人生が変わって保育を選んでいることもあり、考えていた分野とは全く違う選択があってもいいと思っています。めざす人生が決まっているのもいいけれど、決めずに感性に従うのもいいし、その場しのぎでも人生は続いていきます。自分の興味にドンピシャでなくたって、時には遠回りだって大丈夫なんです。肩の力を抜いて、遊び心を持って生きていきましょう。

先生への質問

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白鴎大学は実学重視の3学部を設置しています。経営学部は将来の目標に合わせて5コース(企業経営・経営情報・企業会計・メディア・ビジネスコミュニケーション)、法学部は法的な視点から思考力を磨くことができる3コース(法務・公共政策・企業)を設置。教育学部は人間の成長や発達の過程を4専攻(児童教育・スポーツ健康・英語教育・心理学)で多角的に学びます。
栃木県小山市に2つのキャンパスを擁し、リベラル・アーツ教育を通してさまざまな学問領域を自由に、自主的に学べる環境を提供しています。