子どもとのコミュニケーションには不思議がいっぱい!

子どもは自分の気持ちをどのように表すのかな?
誕生した子どもは、自分の気持ちを泣いたり、笑ったりしながら表します。やがて1歳半を過ぎた頃になると相手の要求と自分の要求が異なる際、自分の気持ちを「イヤ!」などの言葉を用いながら直接的な方法で言うようになります。しかし、3歳前後になると、相手の気持ちも分かるようになってくるため間接的な方法で自分の気持ちを表すようになります。
「迂回」行動ってなあに? 嘘の前の嘘なの?
「迂回」という語の原点は、心理学者であるヴォルフガンク・ケーラー著『類人猿の知恵試験』の中にあるチンパンジーの研究から示唆を得たものです。彼は迂回実験を行いました。チンパンジーの場合は目の前に欲しい物があると一直線で取りに行きますが、欲しい物の間に障害物が置かれている場合、チンパンジーは迂り道をしながら欲しい物を取りに行く能力があります。ケーラーは、この行動を「迂回」と述べています。3歳11ヶ月になったある子どもは、より間接的な表現を使いながら自分の気持ちを相手に伝えています。この時期の子どもは、大人が聞けば分かるような嘘を言います。まさに、嘘の前の嘘にあたります。
「迂回」行動を知っておこう!
「迂回」行動は、相手の要求と異なる際に間接的な表現で相手に伝える方法です。この「迂回」行動について、幼稚園の観察を通して保育者の対応が捉えられました。
保育者の子どもへの対応方法は、直接的な言葉かけや間接的な言葉かけが見られると共に保育者が“間”を取りながら子どもに対応している姿を読み取ることができました。子どもにとってはこの“間”が、その先の行動を考える時間に繋がります。昔は大家族であり、祖父母などから生活を通して子どもの発達や関わり方が伝えられていましたが、現在、核家族が増えています。特に2歳から3歳に移行するこの時期には「迂回」行動が見られるようになります。あなたが、この行動を知っていることによりこの時期の子どもとの関わりがスムーズになるでしょう。
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