暑さに強い体をつくるには?

暑さに強い体をつくるには?

暑さに強い体づくりの重要性

近年、夏の暑さはますます厳しくなっており、熱中症で搬送される人の数も過去5年間で毎年増加しています。熱中症を防ぐには、早期発見や迅速な治療も重要ですが、そもそも熱中症にかかりにくい「暑さに強い体」をつくることが欠かせません。
年齢を重ねるなどして体から熱を逃がす能力が低下すると、深部体温が上昇しやすくなります。脳の温度が約40℃まで上がると、体がオーバーヒートしたような状態となり、熱中症(この場合は熱射病とも言います)を引き起こしてしまいます。

暑さに強い体をつくるカギは「血液量」

熱をうまく逃がすことができる、暑さに強い体をつくるには、血液の量を増やすことが大切です。暑いとヒトは皮膚表面の血管を拡張させて体内の熱を逃がし、また、血液からつくられる汗の蒸発により体の熱が奪われる(気化熱)ことで、体温を下げているからです。運動中に血液の量を増減させる実験をおこなったところ、血液が増えると体温が下がり、減ると体温が上がることが確認されました。では、どうすれば血液の量を増やせるのでしょうか。その答えの一つが、「運動」です。

トップアスリートのトレーニングにも

トレーニングの頻度を増やすと、血液量が増加します。また、運動後にタンパク質と糖質を豊富に含む食品を摂取すると、体内で「アルブミン」というタンパク質が多く合成されます。このアルブミンは血管外から血管内に水分を引き込み、血液量の増加をさらに促すことが分かっています。実験では、タンパク質と糖質のサプリメントを用いて行いましたが、この効果は乳製品などの食品から摂取した場合でも確認されました。
このように、運動後に乳製品などを摂取することで、暑さに強い体をつくることができます。この方法は、一般の熱中症予防だけでなく、トップアスリートの練習にも取り入れられており、アスリートたちの活躍を陰で支えています。

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上越教育大学 学校教育学部 学校教育研究科 准教授 池川 茂樹 先生

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先生が目指すSDGs

メッセージ

高校生のあなたに伝えたいのは、大学はゴールではなく新たな出会いのスタートだということです。私は、農学部に入学し、修士課程でも農学系に進んで光化学を専攻しました。しかし、世界で初めてスポーツドリンクを開発した先生との出会いによって、博士課程は医学系研究科へと大きく方向転換しました。自分が決めた道をひたすら進むことも大切ですが、これだと思った出会いに導かれる人生も面白いものです。さまざまな方向にアンテナを張り、出会いのチャンスを見逃さずに、学生生活を送ってほしいです。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

上越教育大学に関心を持ったあなたは

上越教育大学は、人間的な視野と総合的視野に立ち、21世紀の教育を担う中核的指導的な教員の養成をめざしています。トップクラスの教員採用率を誇り、全国各地から学生が集まっています。これからも教員の育成と現職教員の研鑽の場を提供していくことは不変です。そして教育は子どもの心を豊かに育て、国を支えます。