食物アレルギーのある子どもの「心」と「体」を支える

食べたことがない子どもたち
食物アレルギーとは、特定の食べ物に対し、体を守るはずの「免疫」という仕組みが敵だと勘違いして過剰に反応し、じんましんやせき、腹痛などの有害な症状を引き起こすことです。
食物アレルギーのある子どもは、原因となる食品を一度も食べたことがありません。例えば、牛乳アレルギーのある子は、アイスクリームやチーズの味を知らないのです。こうした「食経験の乏しさ」が、子どもたちの心に大きな影響を与えています。さらに「治療方針を自分で決められない」「友だちと同じものが食べられない」といった心理的な負担も抱えています。
ゴールは子どもによって違う
食物アレルギーのある子どもたちの心理的な負担を軽減するため、子どもたちが本音を言える場づくりが進められています。遊びやクイズをしながら話すことで、子どもが心を開きやすくなるという結果が得られています。中には「なんで食べなきゃいけないの?」「今のままでもいい」と言う子もおり、治療のゴールが一人一人違うことがわかります。共通のゴールは、少量の誤食でアナフィラキシーを起こさないよう、しきい値を少し上げることです。その先は、子ども自身の希望を尊重し、子どもが納得して治療を選べるようになることであり、それがこれからのアレルギー医療の大きなテーマになりつつあります。
体の成長への影響も明らかに
牛乳アレルギーのある子どもの骨密度調査では、標準より有意に低く、将来の骨粗しょう症リスクが懸念される結果が出ています。また、食物アレルギーのある子どもは健常児に比べて身長・体重が有意に低く、特に男子では体脂肪率や骨密度も低いことがわかってきました。
こうした研究成果をもとに、子どもたちが楽しく栄養バランスを学べる食育プログラムが開発されています。今は多様性を認め合う時代です。食べられない子も、食べられる子も、一緒に豊かな食生活を送れる社会をどうつくるか、そんな問いに向き合う研究が進められているのです。
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先生情報 / 大学情報

名古屋学芸大学 管理栄養学部 管理栄養学科 准教授 楳村 春江 先生
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臨床栄養学、小児免疫・アレルギー先生への質問
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