AIとコンピュータが新素材を生む! 進化を加速させる材料工学

現代の錬金術? AIで未知の材料を設計する
合金などの新しい材料の開発は、これまでは研究者の経験や勘に頼る部分が大きい世界でした。ところが現在は、大きく変わりつつあります。コンピュータを使い、原子レベルで材料の性質を計算する「計算科学」と、AIやデータ解析で有望な材料を予測する「マテリアル・インフォマティクス(MI)」を組み合わせることで、これまで存在しなかった材料を効率よく探し出せるようになったのです。コンピュータの中で無数の組み合わせを試し、実験する前に有望な材料を見つけ出すという、まさに「現代の錬金術」とも言える研究分野です。
レアアース問題や次世代電池の開発に挑む
この技術は、産業界の課題解決に直結します。例えば、現代産業に欠かせないレアアースは、供給不安や環境問題などを抱えています。計算科学を使えば、レアアースを使わない代替材料の開発も夢ではありません。また、リチウムイオンを超える高効率な次世代電池の材料開発も加速しています。さらに、リサイクル材料から不純物を取り除き、再び資源として利用する研究にも計算科学が活躍しています。
富山県は伝統的にアルミニウム産業が盛んな地域です。その特徴を生かして、腐食に強い軽金属合金の研究が進められています。軽くて丈夫な材料が実現すれば、輸送コストの削減など社会全体に大きなメリットが生まれます。
社会を支える最強の「裏方」
材料工学は、意外な元素の組み合わせから新しい素材を生み出す学問です。あらゆる製品の基盤である材料が進化すれば、軽くて長持ちするスマホや、超高性能なスパコンが誕生するなど、社会に絶大なインパクトを与えます。そして、スパコンが進化すれば、さらに優れた材料が生まれるという好循環も起こります。
材料科学は目立ちにくいですが、日本の根幹を支える重要産業です。実験だけでは解明できない現象を計算で解き明かし、最先端技術で未踏の問題に挑む学問分野なのです。
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