「暗号」は本当に安全? コンピュータの助けを借りて弱点を発見!

「暗号」は本当に安全? コンピュータの助けを借りて弱点を発見!

のぞき見や改ざんを防ぐ

SNSで友だちに送ったメッセージは、インターネットの中をそのまま流れていくわけではありません。もしそのまま送れば、途中で誰かにのぞき見されたり、内容を書き換えられたりする危険性があります。
インターネット通信は、相手と一本の線で直接つながっているわけではなく、多くの機器やシステムを経由して届けられています。いわば、情報をバケツリレーのように受け渡している状態です。その途中で情報を守るのが、暗号という技術です。
暗号の仕組みは「鍵付きの箱」のようなものです。メッセージは箱に入れられ、鍵がかかった状態で運ばれます。途中で箱そのものを見られても、鍵がなければ中身はわかりません。受け取った相手だけが箱を開けて、メッセージを読めるのです。

安全性を高める「形式手法」

ただし、鍵が壊れていたら箱は安全ではありません。つまり、暗号にも欠陥があれば情報は守れないのです。そのため、暗号に弱点がないかを確かめる必要があります。これまでは、人間が数学の式を使って手作業で安全性を検証するのが一般的でした。しかし、人の手による確認では間違いや見落としが生じる可能性があります。実際、安全だと考えられていた技術に後から欠陥が見つかり、大きな問題になったこともあります。
そこで使われるのが「形式手法」です。これは、暗号の仕組みをコンピュータで調べて、弱点がないかを確かめる方法です。コンピュータが膨大なパターンを論理的に調べ上げることで、人間では気がつかなかった欠陥でも発見することができるのです。

見えない技術が社会を支える

情報を守る技術は目に見えないため、普段はその存在を意識しないかもしれません。しかし、インターネットが日常生活に欠かせない現代では、情報セキュリティは社会の基盤となっています。悪意のある第三者にシステムの弱点を悪用される前に、問題を見つけて対策することが重要です。暗号や形式手法の研究は、誰もが安心してシステムを使える社会を支えているのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

茨城大学 工学部 情報工学科 教授 米山 一樹 先生

茨城大学 工学部 情報工学科 教授 米山 一樹 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

情報セキュリティ

先生が目指すSDGs

メッセージ

暗号技術には、数学が深く関わっています。論理を組み立てて考えることが好きな人にとっては、興味を持ちやすい分野です。ただし、情報セキュリティは数学だけの学問ではなく、社会制度や法律など、さまざまな分野とも関わっています。だからこそ、幅広いことに興味を持ち、探究していく姿勢を大切にしましょう。実際、一見すると研究とは関係なさそうに思えた学びが、後になって役立つこともあります。遠回りに見える経験が、将来の力になることもあるので、寄り道も含めて学ぶことを楽しんでください。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

茨城大学に関心を持ったあなたは

茨城大学は、人文社会科、教育、理、工、農、地域未来共創学環の5学部1学環からなる国立の総合大学です。本学の特色である「プラスIプログラム」は、どの学部・学環でも「サステイナビリティ学」「数理・データサイエンス・AI」「アントレプレナーシップ」「グローバルコミュニケーション」といった多様なプログラムから選んで「もうひとつの力」を身に付けられます。また3年生の秋シーズンには「iOPクォーター」があります。必修科目を原則的に開講せず、海外研修やインターンシップなどの学外活動に取り組むことができます。