フィールド調査と情報科学で熊本の豊かな地下水を守る!

抱えている地下水の「質」と「量」の問題
熊本市は、人口約74万人分の水道水100%を地下水でまかなっています。世界的にも珍しい地下水都市ですが、近年、水質の汚染や水位の低下が問題となっています。
硝酸性窒素とフッ素
問題の1つが硝酸性窒素による汚染です。硝酸性窒素汚染は日本に限らず世界的な問題で、その原因として主に過剰な施肥、家畜のふん尿、生活排水が挙げられます。効果的な汚染対策につなげるために、これら3つの原因がそれぞれどの程度水環境に影響しているのかを評価する研究が行われています。
現状を把握するために、井戸や湧水、地下水との相互作用がある川から水を取って広く水質調査を行います。例えば硝酸イオンの窒素・酸素安定同位体比から、その硝酸イオンが3つの原因のどれに由来するものなのかがわかります。原因解明のためには、ほかに、数学や統計学などを融合したデータサイエンス、得られたデータを地図情報として可視化するGIS(地理情報システム)の手法が複合的に用いられています。
もう1つの問題はフッ素による地下水汚染です。フッ素汚染は地質由来が大きいものの、工場排水や肥料にもフッ素が含まれていると考えられます。硝酸性窒素汚染の調査で得られた知識や技術を応用して、フッ素汚染についても調査が行われています。
土地利用や気候変動と地下水量との関係
熊本県の阿蘇カルデラ内にも豊富な地下水がたくわえられています。しかし農業形態などの変化により、これまで人の手によって維持されてきた草原が減って森林となった結果、地下水量が減少すると考えられています。そこで人工衛星からリモートセンシングで得られた地表の画像を機械学習で解析し、土地利用の変化が地下水量に与える影響が調べられています。
また、近年の気候変動により集中豪雨が増加しています。同じ降水量でも短時間に集中して降ると、雨水は時間をかけて地下に染み込むことができず、川に流出してしまいます。こうした気候変動が地下水量に及ぼす影響についても研究が進められています。
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