異分野の発明原理を応用! イノベーションを生むアイデアの発想手法

異分野の発明原理を応用! イノベーションを生むアイデアの発想手法

技術的な矛盾をどう解決?

商品開発の現場では、「高温でおいしくパンを焼きたいが、消費電力は小さくしたい」など、相反する条件を同時に満たしたくなる場面が多くあります。こうした技術的な矛盾をどう解決するかが、画期的な商品を生み出すカギになります。そこで使われる手法の一つが「TRIZ(トゥリーズ)」という、発明のパターンに着目した理論です。
旧ソ連で生まれた問題解決手法で、膨大な特許を分析し、「優れた発明には共通原理がある」と考えて体系化しました。TRIZの代表的な手法である「40の発明原理」ではすべての発明は40のパターンに整理されています。例えばハイブリッド車の発明は、動力源を電気モータと内燃機関に分けた「分離」の発明原理に分類されます。

課題に役立つ原理を探す

TRIZではまず、課題を「何を良くしたいのか」と「何を悪くしたくないのか」に分けて考えます。例えば課題が「軽くても丈夫な靴を作りたい」なら、「軽くしたい」が良くしたいこと、「丈夫さを失いたくない」が悪くしたくないことです。課題を整理したのちに、どんな解決方法があるのかを示した技術的矛盾マトリックスの一覧表から、発想に役立つ発明原理を探します。それにより異なる分野での発明の考え方を応用することが可能になります。

生成AIを活用

一方で、TRIZを使うには難しさもあります。特に経験の浅い技術者にとっては、課題を正しく整理し、適切な発明原理を選ぶことは容易ではありません。そこで、TRIZと生成AIを組み合わせたプロセスの研究が進められています。
まずAIが技術的な課題を整理し、発明原理の一覧表から適切なものを提示します。さらに、その原理に基づく具体例を、関連分野だけでなく異なる分野からも探し出し、新しい発想を支援します。これにより、「軽くても丈夫な靴」という課題に対しては、航空機に使われるカーボンファイバー素材を提示するなど、従来は思いもつかなかった案が導かれました。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

三条市立大学 工学部 技術・経営工学科 教授 泉 丙完 先生

三条市立大学 工学部 技術・経営工学科 教授 泉 丙完 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

R&Dマネジメント、経営工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

技術だけでは画期的な新商品やイノベーションは生まれません。大切なのは、その技術をどう組み合わせ、社会の課題解決にどうつなげるかを考えることです。電気や機械といった専門知識に加えて、「どう使うか」を考える力が、今後ますます求められるでしょう。そのためには、高校生のうちから多くの体験をしてほしいです。学校の勉強だけでなく、人と出会い、街を歩き、気になったことを自分で調べてみるといった体験が、後から思いがけない形で結びつき、新しい発想につながります。

先生への質問

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三条市立大学は、2021年4月に開学した新しい大学です。多様な加工技術が集積するこの地域全体をキャンパスとし、機械工学を軸として多岐にわたる分野の学問を組み合わせた学修と、実践的な技術感覚を養う産学連携実習を特長としています。多様な工学技術についての深い知識に加えて、経験をもとにした創造性や実践力があり、技術と経営を効率的に組み合わせる技術マネジメント力を有する「創造性豊かなテクノロジスト」を育成します。