あなたの選択は本当に自分のもの? 脳と行動で解く意思決定の仕組み

その選択、本当に自分の意思?
昼食を選ぶとき、店の評判や周囲の意見を気にした経験はありませんか? SNSの口コミ評価を見て、買うつもりのなかった商品を選んでしまった経験がある人も多いでしょう。私たちは自分の意思で選んでいるつもりでも、実際には周囲の意見や評価に強く影響されています。このように「他人の影響を受けて変わる選択」は「社会的選好」と呼ばれ、日常のさまざまな場面で生じています。この身近でありながら見えにくい意思決定の仕組みを、行動データや脳の働きから読み解こうとする研究があります。
行動・脳・数式で見る、意思決定のメカニズム
研究では、「行動のレベル・脳の働き・数理モデル」という3つの視点を組み合わせることで、意思決定の仕組みを多角的に明らかにしようとしています。まず、実験で参加者に「AかBか」を繰り返し選んでもらい、選択の傾向を調べます。その際、他人がどう選んだかという情報を加えることで、判断がどのように変わるかを観察します。さらに、MRIを用いて意思決定中の脳活動を測定し、どの部位が関わっているのかを明らかにします。こうして得られたデータを基に、「満足度は自分の好みだけでなく、他人の影響によっても変わる」という傾向を数式として表すことができるのです。
脳への刺激で変わる判断
近年の研究では、他人の意図や気持ちを推測する脳の働きが、意思決定に深く関わっていることがわかってきました。さらに、脳の対象部位に磁気刺激を与えて一時的に働きを弱めると、判断そのものが変化することも確認されています。例えば、通常であれば不公平だと感じて断る提案でも、磁気刺激でその働きが弱まることで受け入れてしまうことが増えるのです。つまり、私たちの選択は気分や性格だけでなく、そのときの脳の状態によっても左右されるということです。現在は、他者の影響や個人差の解明が進められており、今後は集団での意思決定について研究が広がることが期待されています。
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