「できる」と「楽しい」を重ね、子どもの活力を取り戻す別室登校法

見守りが中心だった不登校支援
不登校になる子どもたちの多くは、ある日突然学校に適応できなくなるわけでありません。それまでの学校生活で、身を削り取られるような場面が蓄積され、やがてキャパオーバーを起こして学校に行けなくなってしまうのです。
不登校の増加を背景に、1995年以降スクールカウンセラーが配置されましたが、従来の支援は「刺激しないで見守る」ことが中心でした。それで回復することもありますが、本人も家族も「学校に行けない」というジレンマを抱えながら不登校を長期化させている実情に、踏み込んだ支援を編み出す実践研究が求められました。
校内支援室で個別に支援
2017年施行の教育機会確保法によって、フリースクールなど多様な学びの場が認められ、校内支援室を開設するなど、支援環境の整備が進んでいます。その校内支援室で、学校への再適応を支援するための方法論が「別室登校法」です。学習に対して無力感を抱く子どもたちも多く、支援室では個々の段階に応じた学習支援を行い、まずは「できる」という感覚の獲得を重視します。寄り添いながら、おしゃべりやゲームなどで「楽しい」と感じる経験を積み重ね、自分から行動を起こすためのエネルギーを高めていきます。支援には、大学生のボランティアが先生と仲間の中間という立ち位置で、共感者として関わることも効果的です。
学びのステップを工夫
不登校の子どもたちは、激しい気分の落ち込みで心の内と外の区別があいまいになり、物事を客観的にとらえられなくなっている場合が少なくありません。そのような状況で彼らの内面に介入して認知や行動を変えようとするのは非常に困難です。
そこで別室登校法では、本人を変えようとせず、学習課題や集団遊びのプログラムを工夫し、活動を通して子どもが活力を取り戻すことをめざします。個別指導によって初めてわかる学習障害などの特性もあるので、学びのステップを検討し、別室での仲間づくりで「できる」「楽しい」を積み上げていくことが大切なのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報

東北福祉大学 総合福祉学部 福祉心理学科 教授 中村 恵子 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
教育心理学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?
![選択:[SDGsアイコン目標3]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-3-active.png )
![選択:[SDGsアイコン目標4]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-4-active.png )

