ロボットとバイオマーカーでかなえる「低侵襲」な医療

ロボットとバイオマーカーでかなえる「低侵襲」な医療

不要な検査を回避する「がんマーカー」の開発

前立腺がんの発見に使われる「PSA検査」では、がん以外の肥大症や炎症でも数値が上がってしまいます。そのため、実際にはがんでない人の多くが、痛みを伴う精密検査(生検)を受けなければならないという課題がありました。
そこで、がん細胞が作るタンパク質の「糖鎖(細胞のアンテナ)」の形が、正常なものとは異なることに着目し、S2,3PSA%(エス・ニーサン PSA)という新しい検査法が開発されました 。これまでの検査はPSAの「量」を測るだけでしたが、新しい検査は、 PSAの「質(がん特有の糖鎖)」を見分けます。この新手法により、がんの検出率が大幅に向上しました。現在は全国の病院で使われています。

ロボット支援手術が変えた、外科治療の未来

いまやロボットは手術の主役となりつつあります。医師が支援ロボットを操作することで、人の手では困難な高精度かつ低侵襲(体への負担が少ない)な手術が可能となりました。この手術のおかげで、以前は難しかった出血量の抑制、傷の縮小、合併症リスクの低減、そして重要な体の機能を失わずに温存することが可能になりました。

覚悟と情熱が進歩を支える

医師の仕事は、臨床・研究・教育と多忙を極め、決して「コスパ」が良いとは言えません。常に勉強し、自分をアップデートし続けなければならない、険しく厳しい道です。
目の前の患者を救う「臨床」を支えるのは、常に疑問を持ち、より良い方法を模索する「研究」という土台です。研究者のレベルアップが、ひいては患者への最高のご褒美になります。
「自分や家族が受けたい治療を作りたい」という切実な想いや、現状への不満がエネルギーになります。「昨日よりも、明日が前に進んでいること」を大切に、誰もやっていないことに挑戦し、未知を既知に変える。そんな情熱を持った研究者が医療の進歩を支えています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

弘前大学 医学部 医学科 泌尿器科学講座 教授 畠山 真吾 先生

弘前大学 医学部 医学科 泌尿器科学講座 教授 畠山 真吾 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

医学、生命科学、泌尿器科学

先生が目指すSDGs

メッセージ

成績が良いから医学部に行くという人は多いですが、勉強だけできても良い医師、良い医学者にはなれません。世の中のきれいなものや汚いものをよく見ましょう。そしてその過程で、つらいときに対処する力と覚悟を身につけましょう。どんな道に進んでもつらいときはあると思いますが、逃げるにしろ向き合うにしろ、それなりの覚悟が必要です。その覚悟とガッツがあれば、きっとどんなときでも患者さんの前で笑顔で話せるようになります。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

弘前大学に関心を持ったあなたは

弘前大学は、人文社会科学部、教育学部、医学部、理工学部および農学生命科学部の5学部からなる総合大学で、すべての学問の基礎的領域をカバーしています。
この総合大学という特性を生かして、本学では教養教育と専門基礎教育を重視した教育を行い、これからの社会に対応できる人材を育成することを目的としています。
本学の学生は、歴史と伝統のある文化の香り高い弘前市で学びながら、地域の自治体や企業などと連携し、さまざまな活動に積極的に参加しています。