壊さなくても中の状態がわかる! 光を使った非破壊検査

干渉しにくい光を使った非破壊検査
光は「波」の形をしています。つまり、上に高い「山」と下に低い「谷」がある波形になっているのです。さまざまな波形・波長の光があり、山同士、谷同士が重なると増幅し、山と谷が重なると打ち消し合います。これを「干渉」と言います。
干渉が起きにくい(条件が合ったときだけ干渉する)特殊な光を使った「光干渉断層法(OCT)」という検査方法が今、注目されています。OCTでは、この特殊な光を2つに分けて、1つを調べたいモノ、もう1つを鏡に当てます。モノの内部の障害物に当たって跳ね返った光と、鏡に反射した光を重ねて干渉が起きたところを調べると、光がどのくらいの深さで反射したかがわかります。これを、位置をずらしながら繰り返すことで、0.01mmという高解像度で断層画像にすることができるのです。
光を当てるだけで血流の速度までわかる!
人体を含め、モノを壊さずにその中を正確に知ることができる技術は、医療、製造業をはじめさまざまな業界で求められています。
最近の研究では、OCTで血管の状態を知る技術が開発されました。例えば、皮膚にアルコールをつけてお酒に対する耐性を測るパッチテストは、従来20分程度かかっていました。しかし、OCTでは瞬時に血管の拡張の度合いがわかり、検査時間が大幅に短縮できます。また、血流の速度や血液の粘度まで知ることができます。
品質管理の救世主に?
工場から出荷する製品の検査にも、OCTを応用できます。例えばフィルムロールですが、材料メーカーは、液晶フィルムなどさまざまな素材のフィルム(膜)を食品ラップのように巻き取った形で出荷します。そのロールの間にすきまがあったり、逆にきつく巻きすぎてフィルムに力がかかっていたりすると、品質低下の原因につながります。これにOCTを応用してフィルムロール内部を画像診断する方法が開発されました。これまで検査方法に苦心していたメーカーの力強い味方になると期待されています。
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