超小型人工衛星が観測の未来を変える! 小さな箱に知恵を凝縮

低コスト、短期間で宇宙へ
1辺10cmほどの立方体の中にさまざまな機能を詰め込んだ「超小型人工衛星」の研究が進められています。「キューブサット」と呼ばれるこの衛星は、従来の大型衛星に比べて低コストかつ短期間で開発できるのが特徴です。限られた容積に通信機器や観測装置を収める必要があるため、部品の配置や重量、電力の使い方まで細かな工夫が求められ、ものづくりの知恵が詰まっています。
弱い電波を受信する工夫
人工衛星から地上にデータを送るには、無線通信の技術が欠かせません。特に小型衛星は使える電力が限られるため、非常に弱い電波で情報を伝える必要があります。しかし宇宙空間や地上にはさまざまな電磁波が飛び交い、電波が弱いと信号が埋もれてしまいます。そこで、同じ信号を何度も送って重ね合わせたり、信号の形を工夫したりすることで、地上で信号を読み取る技術が生み出されました。かつては受信できなかった弱い電波でも読み取ることが可能になっています。一方、信号を繰り返す分、通信速度が遅くなるといった課題もあり、そのバランスをどう取るかが重要な研究テーマとなっています。
国際的プロジェクトに
現在は、高度数kmに打ち上げて検証実験が進められている段階です。今後、最高高度300kmでの運用が進めば、気象観測や災害把握での活用が期待できます。地上約3万kmの気象衛星に比べて地球に近い分、台風の動きや気圧の変化をより細かく観測できる可能性があります。
一方で、現状では地球全体を見渡すことはできず、観測できる時間も限られます。地球全体の観測に活用するには、海外の観測拠点と協力し、世界規模で情報を受け取る仕組みが必要になります。人工衛星の設計から運用までの工程には大勢の人が関わっており、無線の使用許可などさまざまな手続きが必要となるため、国際的なプロジェクトマネジメントが極めて重要になります。技術だけでなく、人と人との連携によって成り立つ研究分野なのです。
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